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 「しゃべることなど…何もない…」
 「ふーん…私が聞きたいのはそんなことじゃないんですのよ?」
 「ぐぁぁぁああっっ」

飛び散る鮮血。

取調べ…と言う名の拷問が始まってからすでに数刻が経過していた。
責めたてられる四人の男たちは頑固に口を割らなかったのだが…ここにきて、様子が変わってきた。

二人は洗濯板のような石の上、一人は天井から逆さまに吊り下げられ、一人は椅子に固定されている。
その四人はお互いに向き合い、他の仲間が受ける責め苦を見せ付けられる。

周囲は壁といわず床といわず血に染まり、あたりには血液特有の若干鉄くさいにおいが立ち込めている。

 「まったく強情だな」
ジュッ
雅逡が天吊りになっている男の、腕に大きく開いた…いや、正確にはつい先ほど蝶子によって開けられた…穴、露出した脂肪と肉に焼け溶けた鉄を流し込む。

 「ガッ…グアアアアァァアア!!ギャアアアァッァァッァアアア!!!!」
 「そもそも、軍議中の部屋の周囲をうろちょろしてる時点で怪しいんだよ。それに、本当に何も知らないならそういうはずだ。また、素人ならありもしない嘘を並べ立てて助かろうとするだろう」
 「…そうですわ。ということは、あなたがたは確実に『何か』を知っていて、それを隠している。しかも、そうとう訓練された間者…であることは間違いないですわ」
そういいながら蝶子は椅子に縛られた男の、ベロリとむいた背中の皮と、見えている筋肉組織の間に容赦なく塩を擦り込む。
 「…!!!!」
もう言葉も出ないのだろう。よだれと涙を垂れ流しながらガクガクと痙攣し、男は気を失った。

 「…お…おい…本当に知らないんじゃないのか…?死んでしまうぞ…?」
吐き気を必死に絶えながら、楓緑葉。
 「何を言ってるんですか、緑葉殿。こういう手合いは死ぬことに恐怖はないのです。むしろ仲間を裏切るとか、情報を漏らしてしまうことに最大の恐れを感じる。だから、死なない程度に手加減しながら…痛みで死の恐怖を呼び覚ますのです。死の恐怖が仲間の裏切りや情報漏えいの恐怖を超えたとき…自ら話始めるでしょう」
 (それにしても…やはり藍跳も怪しいな。これだけのモノを見て、顔色ひとつ変えないとは…)
チラリ、と横目で藍跳を見やる雅逡。鈴央はとっくの昔に気を失って外に担ぎ出されていた。
 「さすがの楓緑葉殿も、韋駄天の鈴央殿も…受け付けないようですわね。やはり同じ人を傷つけるのでも戦場とは違うのですか?」
 「そりゃあ違いますよ、蝶子殿」
 「軽蔑します?」
 「いいえ、そんなことはありません」
 「…ありがとう」

そういって蝶子は今しがた気絶した男のつま先、爪の間に竹串を突き刺す。
 「!!!」
ビクッと体を震わせて意識を取り戻した男は激痛にまた気を失いそうになるが、グリグリとねじ込まれる竹串の痛みに気絶することすらできずにいた。
 「~~~!!………!!!!」

 さらに数刻。さすがにその場にいる全員に疲労の色が見え始めた頃。唯一意識を保っていた(他の三人は気絶している)、天吊りの男が口を開く。
 「わ…わかった…話す…全部話すから…」
 「はじめからそうしていればこんなに痛い目を見なくてもすんだものを」
そうつぶやいて雅逡が男に背中を向けた瞬間。
 「ガッ!!」
一声あげて男は息絶えた。ふりむいた雅逡の目には…男の首を叩き落した藍跳の姿。
 「(…しまった、やられた!)藍跳殿!なにを…」
まさにそれが合図だったかのように気を失っていたはずの三人も一気になで斬りにし、藍跳は剣をおさめた。
 「どういうことです!?藍跳殿!ことと次第によっては…」
 「落ち着いてください。この男はあなたが背を向けた瞬間、あなたを殺そうとしたのです。それに気がついて、斬ったまでのこと」
 「なにを根拠に…!」
 「ともかく、情報は引き出せませんでしたな。では、これにて」
 「く…くそっ!」
何が起こったのかわからない楓緑葉と、悔しがる蝶子と雅逡を残して藍跳は悠然と部屋を出て行くのだった。
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プロフィール
HN:
よしぞー
年齢:
51
性別:
男性
誕生日:
1973/02/20
職業:
平社員
趣味:
飲酒/睡眠/飲食
自己紹介:
〇マイペースじゃないと生きて行けません。

〇基本的にインドア派。

〇でも酒とうまい食い物の為ならどこでも行きます。

〇ルックス、知識、経済力、運動神経全てママンの体内に置き忘れて産まれてしまいました。

〇いわゆる低学歴低身長低収入高脂肪。低スペック。

〇非モテ人生まっしぐら。

〇でも楽なので修正する気ゼロ。

〇オンライン推奨。

〇来世でがんばろう。
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