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1:名無しさん@おーぷん20/10/23(金)19:15:24ID:ToV
ワイの独断と偏見で「面白い」「重要だ」「感動した」と思ったネタを選んだで

1(右) 四色定理
2(三) ハムサンドイッチの定理
3(二) 1+2+3+4+....=-1/12
4(一) モンティ・ホール問題
5(遊) 大数の法則
6(中) 巡回セールスマン問題
7(左) 二人零和有限確定完全情報ゲーム
8(指) ラムゼーの定理の系
9(捕) フェルマーの最終定理
先発 バナッハ・タルスキーのパラドックス
中継 ヒルベルトの無限ホテル
抑え ラッセルのパラドックス
監督 ゲーデルの不完全性定理



2:名無しさん@おーぷん20/10/23(金)19:16:10ID:QcW
エキゾチック球面



11:名無しさん@おーぷん20/10/23(金)19:21:31ID:ToV
>>2
トポロジーの本やっけ?
実は恥ずかしながらそれは読んだことないんや
面白いんか?



3:名無しさん@おーぷん20/10/23(金)19:16:37ID:VSm
4はちゃんと確立計算すれば引っかからないのに馬鹿が多いんだなって思た



8:名無しさん@おーぷん20/10/23(金)19:19:17ID:ToV
>>3
せやなあ
実は計算すれば意外と簡単に分かるのに、直観のほうを人間は優先しがちってことなのかもなあ



30:名無しさん@おーぷん20/10/23(金)19:33:51ID:xIQ
>>3
名だたる数学者たちも騙されてんだよなあ



31:名無しさん@おーぷん20/10/23(金)19:34:51ID:ToV
>>30
それは前提を明記してなかった出題者サイドの落ち度もあるから多少はしゃあない



4:名無しさん@おーぷん20/10/23(金)19:16:44ID:8YJ
いいね? 応援するで



5:名無しさん@おーぷん20/10/23(金)19:17:08ID:ToV
数学を専門としていない人にもわりと理解しやすいようなネタを一応選んだつもりや



7:名無しさん@おーぷん20/10/23(金)19:18:11ID:ToV
ほんじゃ、順に解説していくで

1(右) 四色定理

「平面上のどんな地図も4色以下の色で塗り分けることができる」という定理や
ここで言う「塗り分ける」っちゅうんは「隣り合う領域同士が必ず違う色で塗られる」って意味やな

昔から地図製作者の間では経験則として知られてたらしい(どんな国境線の地図でも必ず4色以下で塗り分けられた)が、数学的に証明することができなくて長い間「未解決問題」扱いされてたんや
1976年にようやく証明されたんやけどその証明方法は「コンピューターで全パターンを調べる」という力技すぎる方法だったから、「美しくない」「汚い」証明だとして嫌う人もおるな

でも、コンピューター使わない美しい証明方法はいまだ見つかってないのが現状や
定理の内容も分かりやすいし、証明方法が力技すぎて面白いのでワイのお気に入りのエピソードや

ちなみにこの定理の主張をより弱くした「五色定理」(どんな地図も5色以下で塗り分け可能)は人間の手で証明可能や
気になる人は五色定理の証明も調べてみてくれや。グラフ理論の言葉さえ知ってたらそんなに追うのが難しい証明ではないで。



36:名無しさん@おーぷん20/10/23(金)19:39:56ID:xN2
凄いな4色でできるって



38:名無しさん@おーぷん20/10/23(金)19:42:08ID:ToV
>>36
せやろ。すごいよなあ。まずその事実に驚きやわ
どんだけ複雑な地図だろうと、「平面の上に書かれたもの」(数学的には平面グラフと言う)ならば絶対に4色で塗り分けられるんや
証明にコンピューター使わないけないっていうのも面白ポイントやなあ



42:名無しさん@おーぷん20/10/23(金)19:43:51ID:xN2
>>38
でもコンピューターによるゴリ押しが具体的にどうしたのか分からんけど
1つの国に隣り合ってる国の数は設定しようと思えば無限大あるわけやろ
ゴリ押しなんかで解けるもんなんかな



64:名無しさん@おーぷん20/10/23(金)20:04:36ID:ToV
>>42
もちろん、考えられる地図の状態は無限に考えられるけど、「平面」という制限によって、その地図はいくつかの有限のパターンに分類することができるんや
で、そのパターンをコンピューターで総当たりした感じや

五色定理やとパターンの数も少ないから人間の手でもできなくはないけど、
四色定理になるとそのパターンの数が一気に増えるから、人間の手ではまず不可能でコンピューターに頼らざるを得ないんや



65:名無しさん@おーぷん20/10/23(金)20:05:37ID:xN2
>>64
ほえ~ふしぎ



66:名無しさん@おーぷん20/10/23(金)20:08:29ID:ToV
>>65
意外と「平面」って条件が効いてるんや



13:名無しさん@おーぷん20/10/23(金)19:22:08ID:j4x
無限ホテルはTEDで観た



16:名無しさん@おーぷん20/10/23(金)19:23:03ID:ToV
2(三) ハムサンドイッチの定理

名前がまず面白い定理やな。定理の主張の内容も面白いで
「ハム1枚とパン2枚からなるサンドイッチをたった1回のナイフカットでハムやパンそれぞれの体積を半分にできる」という定理や
これはハムやパンがどんな歪な形をしていても必ず成り立つんやで

数学的にもうちょい厳密に言うと
「3個の物体が3次元空間にあるとき、この全ての物体をそれぞれ等分するような平面が必ず存在する」
というふうに言い表せるな

これは3次元に限らず任意の次元(2次元なら2個の物体、4次元なら4個の物体になる)で同じようなのが成り立つで
特に2次元の場合は「パンケーキの定理」(2個のパンケーキを同時に等分する直線が必ず存在する)っていうこれまた面白い名前がついとる

証明は一般次元の場合やと結構難しいけど、2次元や3次元だけに限った証明ならばギリギリ高校数学の範囲でできなくはないで
興味ある人は挑戦してみてもええかもしれんな



19:名無しさん@おーぷん20/10/23(金)19:26:24ID:ToV
例えば>>16のハムサンドイッチの定理も測度論一般のは検索で見つかるけど、逆にパンケーキの定理みたいな2次元に限ったやつはあんまりなかったりする



26:名無しさん@おーぷん20/10/23(金)19:30:43ID:ToV
3(二) 1+2+3+4+....=-1/12

この式を見ると多くの人は「は?間違ってるやろ」って言いたくなると思うんやが、実はある分野においては「成り立つ」と言えなくもない式なんや
複素数(虚数を含んだ世界のことや)での「ゼータ関数」という関数に「解析接続」という手法を適用するとこの式が得られるんや

もちろん、一般的には上の式は普通に間違いやで。
1+2+3+...なんてやったら普通は無限大になる
でも、「複素解析」という分野においては間違いとも言い切れない、という何とも不思議な式なんやなあ

ちなみにこの等式を発見したのはあの有名なインドの天才数学者ラマヌジャンやで
さらに言えば、このゼータ関数は有名なリーマン予想にも出てくる関数や
そういう点でも応用範囲が広くて面白い話やで



27:名無しさん@おーぷん20/10/23(金)19:31:10ID:B25
ラマヌジャンじゃなくてオイラーやで



29:名無しさん@おーぷん20/10/23(金)19:33:50ID:ToV
>>27
オイラーが見つけた方法をこの式の解放に適用することがあるのは知っとるけど
オイラー自身もこの式を見つけたんやっけ?
数学史はそんなに詳しくないのでもしそうやったらごめん



54:名無しさん@おーぷん20/10/23(金)19:52:46ID:QcW
1+2+3+・・・=-1/12
は誰が何と言っても間違ってるんだなあ
ζ(-1)の値が-1/12というだけであってそれは自然数の和ではない



57:名無しさん@おーぷん20/10/23(金)19:54:45ID:ToV
>>54
うん。
ワイもぶっちゃけ普通に間違いだと思うで

だから上の説明では「間違いとは言い切れない」みたいな微妙な説明で濁した
複素関数の解析接続を適用したからと言って、そのまま左辺のような表記をするのは数学的にはあんまりほめられたことじゃないしなあ



28:名無しさん@おーぷん20/10/23(金)19:32:32ID:mQv
もっと詳しく頼むわ



33:名無しさん@おーぷん20/10/23(金)19:35:11ID:ToV
>>28
分かったで
ちょっと詳しく書くわ



35:名無しさん@おーぷん20/10/23(金)19:37:54ID:CiZ
複素解析ってなんや?



37:名無しさん@おーぷん20/10/23(金)19:40:13ID:ToV
>>35
複素数の上で定義される関数について、その性質を調べたり微分や積分したりする学問のことや
複素数は、実数にプラスして虚数iを考慮した数のことやな。
a+bi(aとbは実数)で表されて複素平面で図示されるあれや
複素解析は一致の定理や留数定理などかなり「強い」定理が多くてめちゃく面白いで



41:名無しさん@おーぷん20/10/23(金)19:43:48ID:V6o
>>37
「強い」定理って何?



47:名無しさん@おーぷん20/10/23(金)19:46:56ID:ToV
>>41
強いっていうのは数学徒が良く使う感覚的な言葉で、正確な意味はないで
主張の内容が凄まじいというか、「えっ、本当にこれ成り立つの!?」って驚くような、そういうのに使う印象
あと、他の定理の証明にめちゃくちゃ使える応用範囲の広い定理にも使うかな



34:名無しさん@おーぷん20/10/23(金)19:37:04ID:ToV
4(一) モンティ・ホール問題

超有名な確率の問題やな

「3つのドアがあり、1つのドアが当たりで他2つのドアは外れだとする。
あなたが当たりだと思うドアを1つ選んだ後、司会のモンティが残りのドアのうち1つを選んで開けてそのドアが外れだと教える。
ここであなたは、最初に選んだドアを、残っている開けられてないドアに変更してもよいと言われる。
あなたはドアを変更すべきだろうか?」

という問題やな。
一見すると、変更してもしなくても当たる確率は同じに思えるやろうけど、実は変更した方が当たる確率は高くなる(変更しないと1/3、変更すると2/3の確率になる)から「変更すべき」が正解になるんや
これが多くの人の直観に反するからか、とても不思議な確率論の問題として有名になったんやなあ

ちなみに、変更した方が良い数学的理由については色んな説明の方法があるけど(ネットでググるとたくさん見つかるで)、「ベイズの定理」っていうのを使うと機械的に手計算するだけで証明できるで

このスレで他の人が「計算で求める方法」ってのはこのことやな
ワイはこの方法が一番好きや。あんまり複雑なこと考えずに機械的に証明できるからな



45:名無しさん@おーぷん20/10/23(金)19:45:44ID:xN2
>>34
これ直感的にも変更したほうが確率高くなりそうって感じたのワイだけ?普通やない?



51:名無しさん@おーぷん20/10/23(金)19:49:36ID:ToV
>>45
そう思えるってことは君の直観は数学のそれに一致してるってことやから凄いことやと思うで



46:名無しさん@おーぷん20/10/23(金)19:46:52ID:Ock
>>34
めちゃめちゃiqが高い人が1万個くらいの扉がハズレっていうのと本質的に同じって言ったんやなかったっけ?



63:名無しさん@おーぷん20/10/23(金)20:01:21ID:ToV
>>46
せやせや
扉の数が3個だと直感に反するように感じるけど、扉の数が増えると直感通りだと感じる人も多いらしいな
この辺りは数学というよりは人間の感覚の不思議さやと思うわ



39:名無しさん@おーぷん20/10/23(金)19:43:04ID:ToV
5(遊) 大数の法則

これは多分みんな現実的な経験則として分かっとることやと思う

例えば、あるコインを投げて表が出る確率は1/2とするやろ
このコインを4回投げるとき、表が出る回数は必ずしも2回とは限らんやん?
4回ぐらいしか投げなかったら、表が1回や3回しか出ない可能性もそこそこあるわなあ

でも2万回投げたら、表が出る回数はほぼ1万回に近い回数になる気がせえへんか?
もっと回数を増やして2億、2京……とどんどん大きな試行回数を重ねていったら、だんだん確率通りの1/2の回数に近付いていきそうやん?
この感覚は実は数学的にも正しくて、これを「大数の法則」と言うんや

法則って名前がついとるけど、数学的にちゃんと証明することが可能な定理の一種やで
数学的な言葉で言うと「同じ確率分布に従う独立な確率変数をn個持ってきたときに、その平均はnが大きくなるにつれて期待値に"収束"する」という定理や

もうちょい分かりやすく言うと、上のコインの例みたいに「試行回数を増やすほど本来の確率通りの値に近くなる」という定理になるな
大学で確率論を学ぶともうちょっと詳しくこの定理も証明できるようになるで。興味ある人は学んでみてくれや


ちなみに、この法則は現実にギャンブルの胴元や保険会社なんかでも活用されてるな
保険会社ができるだけ多くの人を保険に入れさせるのは、そうすれば大数の法則が働いて「計算した確率通りの儲け」に近付くからなんや



52:名無しさん@おーぷん20/10/23(金)19:50:12ID:0xS
>>39
極限で収束するみたいな感じか?



55:名無しさん@おーぷん20/10/23(金)19:52:50ID:ToV
>>52
そうそう。大まかにはその理解で合ってるで
ただ、確率における「収束」の概念は普通の極限とは厳密にはちょっと違うので""を付けたんや
詳しくは「確率収束」とか「概収束」って言葉で調べてみちくり
これらが大数の法則で使われている収束の概念や(他にも分布収束やr次平均収束っつうのもある)



62:名無しさん@おーぷん20/10/23(金)19:57:31ID:ToV
6(中) 巡回セールスマン問題

これも名前が面白いやつや。問題自体も分かりやすいで

「セールスマンがn軒の家を全て回ってセールスするとする。各家の間の移動時間はあらかじめわかっているとき、合計時間が一番短くて済むように全ての家を回るにはどういう順番で回れば良いだろうか?}

という問題や。これは問題そのものの答よりも、その「解き方」(数学の言葉で言えば"アルゴリズム")が重要なんや
ぶっちゃけ、家の数は有限個しかないんやから全てのパターンを調べれば答を出すことはできる
でも、その方法やとnがちょっとでも大きくなっただけで答えを出すのにめちゃくちゃたくさんの時間がかかるんや

例えばn=4軒の家を回るならば4×3×2×1=24通りしかないから総当たりでもなんとか大丈夫やけど、n=20とかになっただけでもう約200京通り以上のパターンを調べないといけないからめっちゃ時間かかる

で、本当にこの問題をもっと"効率的"に解く方法(アルゴリズム)はないのかはいまだに未解決の問題なんやで
なんかもっと上手い方法が見つかりそうなもんやのに、いまだに見つからないのは不思議やなあ
その詳細な説明はここでは省くけど、実は有名な数学未解決問題である「P≠NP問題」がこれに深く関係しとるんや
気になる人は「P≠NP問題」をキーワードに調べてみてくれや



67:名無しさん@おーぷん20/10/23(金)20:09:29ID:ToV
7(左) 二人零和有限確定完全情報ゲーム

なんか長ったらしくて仰々しい名前やけど、意味はそんなに難しくない
将棋やオセロみたいなゲームのことを数学的に総称した用語や

「二人」はその文字通りプレイヤー二人で戦うゲームのことを意味しとる
「零和」(ゼロサム)は、プレイヤー二人の得点の合計が必ずプラスマイナス0になるゲームのことや
例えば、片方が勝ったら必ずもう片方は負けてるっちゅうパターンやな

「有限」はその文字通りゲームが必ず有限の時間で終わることを意味しとる(永遠に勝負がつかないゲームじゃないってことや)
「確定」はサイコロ降ったりするような運要素が一切ないって意味や(だからスゴロクや麻雀みたいな運要素あるゲームは除外や)
「完全情報」は全プレーヤーに全て情報が隠さず明かされているという意味や(だから相手の手札情報が明かされないカードゲームとかは除外される)

(続)



68:名無しさん@おーぷん20/10/23(金)20:09:58ID:ToV
>>67続き
将棋やオセロやチェスみたいなボードゲームはこの>>67の条件を全部満たすやろ?
で、こういうゲームはお互いが常に最善手を打てば必ず「先手必勝」「後手必勝」「引き分け」のどれかになることが数学的に証明されとる
でも実際に個々の二人零和有限確定完全情報ゲームがこの3パターンのどれになるかは分かっていない場合も結構多いんや

コンピューターで全プレイパターンを調べ尽くすしかやりようがないことが多くて、将棋や囲碁だと時間がかかり過ぎて分からないんやと
五目並べみたいな簡単なゲームやとコンピューターでの解析がもう済んでて「先手必勝」やと分かっとるけど、他のゲームについてはまだまだコンピューターでも完全な解析は難しいんやで



73:名無しさん@おーぷん20/10/23(金)20:14:22ID:xN2
>>67これ



77:名無しさん@おーぷん20/10/23(金)20:17:53ID:ToV
>>73
これはゆーてゲームの定義から運要素に支配されないと考えればわりと直観的にも当たり前に感じるけどな
一応、ゲーム木というグラフ理論上の概念を持ち出して証明する方法が良く見かけるかな



76:名無しさん@おーぷん20/10/23(金)20:15:53ID:xN2
中学生くらいから思ってたんやが数学って深く学べば学ぶほど現実の世界に介入できるイメージが何となくある
>>67これみたいに



81:名無しさん@おーぷん20/10/23(金)20:21:18ID:ToV
>>76
ワイの専攻してた応用数学ってのはまさにそういう分野やな
現実世界のことにできる限り応用可能な数学を考える分野や
数学が現実の役に立つって実感できるのは楽しいで



71:名無しさん@おーぷん20/10/23(金)20:13:23ID:ToV
8(指) ラムゼーの定理の系

ラムゼーの定理自体はちょっと難しくて分かりにくいのでここでは説明を省くけど、その定理から導かれるある事実(系)がちょっと面白いんや
それは「6人いると互いに知り合いである3人組か互いに知らない3人組が存在する」という事実や
この事実は高校数学までの知識でも(場合によっては小学生でも)わりと簡単に証明できるんやで

定理の内容もその証明方法もなかなかに面白くて地味だけどワイは結構好きや
証明に興味ある人はこのサイトの説明が分かりやすくてオススメや。読んでみてくれや
https://mathtrain.jp/ramsey




82:名無しさん@おーぷん20/10/23(金)20:22:13ID:ToV
9(捕) フェルマーの最終定理

これも有名なエピソードやね。フェルマーっていう有名な数学者が見つけた定理なんやけど肝心のフェルマーが、
「この定理に関して、私は真に驚くべき証明を見つけたが、この余白はそれを書くには狭すぎる」
と言って証明を書かずに死んだんや

で、彼の死後に色んな数学者がこの定理の証明に挑戦したんやけどみんな歯が立たなくて300年以上も証明できずじまいだったんや
1995年になってようやくワイルズっていう数学者がこの定理を証明したことでフェルマーの最終定理の証明までの長い道のりは終わったんや

このワイルズによる証明に至るまでの間に、谷山・志村予想など多くの新発見があったんや。それら全てがこの定理の証明に繋がってるんやで
このフェルマーの最終定理の証明ドラマはいくつか本にもなってるくらいやから(サイモン・シンの本が一番有名かな)、興味ある人はぜひ読んでみて欲しい

ちなみにこの定理自体は「nを3以上の整数とするときx^n+y^n=z^nとなる自然数x,y,zの組は存在しない」というもので、その主張だけならば中学生(下手したら小学生)にも理解できるほど簡単な内容なんや
それにもかかわらずその証明は300年間誰も解けなかったほど難しいっていうのが、数学の奥深さを感じられてロマンあるんよなあ



84:名無しさん@おーぷん20/10/23(金)20:25:27ID:ToV
先発 バナッハ・タルスキーのパラドックス

これも超有名なネタやな。パラドックスという名前がついているけど、実際はこれも数学的にちゃんと証明できる定理やな
「ある球体をバラバラに分解して組み立て替えることで、元の球と全く同じ大きさの球が2つできる」という定理や
あまりにも人間の直観に反する定理なのでパラドックスっていう名前がついてもうた
でも、数学的には何ら間違っていない正しい定理なんやで

証明には測度論の知識が必要なので結構難しいけど、「選択公理」っていう公理がその証明において必要不可欠な要素を担ってるんや
この選択公理っていうやつは現代数学の基本中の基本を成す公理だし、
それ自体は人間の直観的からしても「当たり前」のように聞こえる公理なんやが、その公理によってこんな摩訶不思議な定理も生まれちゃうんや
数学の不思議さを感じる話やねえ



87:名無しさん@おーぷん20/10/23(金)20:28:38ID:ToV
中継 ヒルベルトの無限ホテル

「無限」(数学的に正確な表現をすると「可算無限」)の奇妙さを伝えるためにヒルベルトが考え出した喩え話やな

今ここに無限の部屋があるホテルがあると考えて欲しい(もちろん現実にはあり得ないけどあくまでも仮定の話や)
そして、その全ての部屋に1人ずつ客が泊まっておりホテルは満室となっているとする

普通のホテルなら「満室」状態のところに新しく客が来てもその客を泊まらせることはできないけど、無限ホテルの場合は1号室の客を2号室に追いやり、2号室の客を3号室に追いやり……っていうのを繰り返せば、1号室だけが空き部屋の状態になるから新しく来た客を1人泊まらせることができる
つまり、(無限)+1=(無限) ってわけや。同じように、(無限)+2も無限やし(無限)+100でも無限になるってわけや

しかも、(無限)+(無限)=(無限)にもなるんやで。
仮に、満室の無限ホテルに、また無限の新規客が来たとするやろ?
その時は、1号室の客を2号室に、2号室の客を4号室に、3号室の客を6号室に……n号室の客を2n号室に追いやれば、奇数号室の客室が全て空くから、そこにまた無限の客を順番に詰め込むことができるっていう寸法や

しかも、このことから「全ての奇数の数」と「全ての偶数の数」はどっちも「同じぐらい無限個ある」ってことも分かる
(これを数学的には濃度が等しいって言うんや)

無限集合というものが、いかに普段ワイらの考えるものと違うかが実感できる面白い喩えやと思うで
この話は「集合論」っちゅう現代数学の基礎をなす分野への入門的な話にもなってるんや



88:名無しさん@おーぷん20/10/23(金)20:32:20ID:ToV
抑え ラッセルのパラドックス

これも集合論関係の面白いパラドックスや。「集合」というのを素朴に定義すると矛盾が存在することを示したものや
以下、簡単に説明するで

集合というのは一般に「あるものの集まり」なわけやん。
じゃあ、「全ての集合を集めた集合」というものも存在すると当然考えるわな

ここで、この「全ての集合を集めた集合」をAと呼ぶと、当然A自身も「集合」の1つだからAの要素になるよな
つまり「AはA自身を要素として含む」ちょっと変わった集合にできるわけや

こういうふうな「自分自身を要素に含む集合」を「異常」な集合と呼び、異常じゃない集合を「正常」と呼ぼうか
そして「全ての正常な集合を集めた集合」をBと呼ぼうか。このときこの集合Bは正常か異常かを考える

まずBが正常とする
Bはその定義より「正常な集合全てを集めた集合」だから、Bが正常ならば当然Bも要素として含む
つまり「BはB自身を要素に含む」わけや。でも、これってBは異常な集合ってことになるよな?
ここに矛盾が生じとる

じゃあ今度はBを以上とするで
すると、異常の定義から「BはB自身を要素として含む」ことになるよな
でも集合Bは「正常な集合だけを集めた集合」なんやからそこに含まれるんなら当然Bは正常な集合になってしまう
つまりここでも矛盾が生じとる

(続)



89:名無しさん@おーぷん20/10/23(金)20:32:48ID:ToV
>>88続き
こういうふうにBは異常だろうと正常だろうとどちらにせよ必ず「矛盾」が生じるんや
これを「ラッセルのパラドックス」と呼ぶ
なんでこんな矛盾が生じるか言うと「集合」の定義の仕方が悪かったからや
現代数学ではこういうパラドックスを避けるために「公理的集合論」という新しい体系のもとで集合を定義し直したんや
そして、この公理的集合論が現代数学の全ての基礎になっとる。だから実はめちゃくちゃ大事な話なんやで。

ちなみに、ラッセルのパラドックスをもう少し分かりやすく喩えた話として「床屋のパラドックス」っちゅうんがある
「自分でひげをそらない人全員のひげをそり、自分でひげをそる人のひげは絶対そらない」という床屋がいるとする
この時にこの床屋は自分自身のひげはそるのかどうか?という問題や
この問題も、床屋がじぶんのひげを剃る剃らないどっちを選んでもさっき同様に矛盾が導かれるで



90:名無しさん@おーぷん20/10/23(金)20:35:59ID:ToV
監督 ゲーデルの不完全性定理

これは数学という学問それ自体のあり方にも関わる有名定理やな。
有名すぎてたまに誤解されて使われることもあるのが残念や。

数学というのは基本的に、いくつかの「公理」(証明不能で使って良い前提)の集合体である「公理系」を出発点にして、そこから演繹的に色んな「定理」を証明もしくは反証していく学問やん?でも本当に全ての定理が正しいか否か証明できるのだろうか?
このゲーデルの不完全性定理は「証明不可能な定理の存在」を証明しちゃった摩訶不思議な定理なんや

具体的には、以下の内容で表せる定理や
・?自然数論を含む特定の条件”を備えた公理系が「無矛盾」ならば、その公理系からはどう頑張っても証明も反証もできない命題が存在する
・しかも、その証明できない命題の一つに「その公理系自身が本当に無矛盾であること」というものが含まれる

(続)



91:名無しさん@おーぷん20/10/23(金)20:37:18ID:ToV
>>90 続き

つまり、矛盾の全くない公理系から自分自身が「矛盾していないよ」ということを証明するのは不可能ってことや
このヤバさはすごいやろ。どれだけ数学者たちが今使っている公理系を「多分矛盾しないだろう」と信じてたとしても、(その信仰が正しいならば)実際にそれが矛盾していないことを証明することはできないんや

だから、数学者はただひたすらに今の公理系のその無矛盾性を信じるしかないんや
そういうふうに数学の限界をある意味で知れる悲しくなる定理として紹介されることが多いな

ただし、誤解しないで欲しいんやが上で書いたように不完全性定理はあくまでも「?自然数論を含む特定の条件”を備えた公理系」に対してのみ当てはまる定理や
だからこの条件に当てはまらない公理系ならば「どんな命題も証明や反証できる」場合は普通にあり得るんやで
まあ自然数ってほとんどの数学に出てくるから「数学の限界を示した」って言いたくなるのも分かるけど、逆に言えばそういうのがない論理体系に関しては関係ないわけで、「数学全て」あるいは「論理全て」の限界を示した定理では決してない
そこを勘違いして誤用しとるやつが多いから気を付けてくれや



92:名無しさん@おーぷん20/10/23(金)20:38:34ID:xN2
ここらへんからさっぱりわかんなくなってきてくさ



94:名無しさん@おーぷん20/10/23(金)20:41:40ID:ToV
>>92
出来る限り専門用語は少なくしてかなり丁寧な解説を心掛けたつもりなんやけどなあ
それでもやっぱり後半は難しかったかもしれんなあ
すまんの

分かんない部分あったら遠慮なく質問してくれてええで
出来る範囲で答えるわ



93:名無しさん@おーぷん20/10/23(金)20:40:08ID:ToV
とりあえず以上で解説は終わりや
詳しく書いて欲しい言うから、出来る限り詳しく(でも数学やっていない人にも分かりやすいよう)書いたつもりや
やっぱり長文で詳しく書いたスレの宿命なのかあまりちゃんと読んでる人いなさそうやけど、もし興味持って読んでくれた人いたら嬉しいわ
ほな



95:名無しさん@おーぷん20/10/23(金)20:48:13ID:3gO
良スレだった



96:名無しさん@おーぷん20/10/24(土)09:31:52ID:SQ0
無限ホテルの場合は1号室の客を2号室に追いやり、2号室の客を3号室に追いやり……

ワイは数学全然だめでな
感覚的なイチャモンでしかないかもしれんけど、これ客を移動させて1号室開ける必要あるんか?無限ならどっからから部屋取り出して与えたらええだけとちゃうんか?



97:名無しさん@おーぷん20/10/24(土)09:39:49ID:SQ0
ちょっと質問が悪かったかも
聞きたかったのは、客を移動させて一号室を開けることが数学的(公式的?)に意味を持ってるんか?ってことっす。




引用元:数学の雑学・小ネタで打線組んだ
https://hayabusa.open2ch.net/test/read.cgi/livejupiter/1603448124/




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