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 「わーい、お姉ちゃん綺麗ー☆」
 「ありがと、鈴央」
 「ホント、馬子にも衣装…だよな」
 「緑葉兄、うるさい」
 「悪い悪い。じゃあ、大将軍はもう来ているから…こっちも行こう」
 「ええ。鈴央、ありがとね」
 「なんも大丈夫だよ☆」
 「緑葉兄。剣を持っていって。わたしの槍も」
 「は?お見合いになんでそんなモンがいるんだ?」
 「…あのね。お見合いはあくまでも情報伝達の手段でしょ?【土竜】が狙ってくる可能性は十分あるんだから、武装は必要でしょう。大将軍にも帯刀で、と伝えてあるし」
 「ああ、そっか。忘れてた」
 「…しっかりしてよ、もう(蝶子、雅逡…頼むわよ…)」





屋敷床下。
 「じゃあ、私が床下を索敵するから、雅逡は屋根裏をお願いしますわ」
 「わかりました、蝶子様。おい、行くぞ」
 「ハッ」
雅逡とその配下数名は屋根裏へ移動。蝶子と十名ほどの間者がその場に残る。
 「それでは皆様…よろしくて?私たち【空蝉】以外の者はすべて敵とみなし、容赦なく斬り捨てなさい」
 「はい、蝶子様」
 「では…散開!」
蝶子の合図でそれぞれの持ち場につく。
 (必ず現れますわ、【土竜】は…。どこから来ても…叩き潰します!)





見合いの席。
ツンツクツクツク、ツクツクツ~。ホワワワ~ン
 「それにしても…こういう席でこういう恰好で会うというのは…どうも奇妙なものだな…いや、ものですな…」
 「大将軍…お見合いはただの偽装、お分かりでしょう?」
 「いや、確かにそうなんだけど…いや、ですけど。せっかく2人こうして着飾ってるんです。もったいないじゃないですか。違いますか?」
 「違いますか?って大将軍。ひょっとしてインドカレーに惚れました?」
 「…緑葉殿。そんな下世話な話ではありませんぞ。そもそもなぜあなたがここにいるんです?」
 「立会人ですから」
 「…」
 「さて、大将軍」
 「作造、と呼んでくださいよ」
 「…大将軍?」
 「でなければこの話はナシです」
 「…大将軍…」
 「では、これで」
 「…作造殿」
 「さ・く・ぞ・う、です」
 「……作造」
 「なんでしょう?」





一方屋根裏。こちらではすでに戦闘が始まっていた。
 「くそ、何人敵が居やがるんだ!みんな無事か!?」
 「一人やられました。こちらはあと四人です」
 「そうか…。とりあえずこっちは一息だ。蝶子様は無事だろうか…?」

 「まったく、後から後から…いい加減にして欲しいですわ」
肩で息をしながら蝶子がつぶやく。もう何人息の根を止めたろうか。十人いた配下もあと三人となっていた。

 「死ね、【空蝉】!」
 「なっ…後ろから!?他の仲間は…!?」
突如背後から振り下ろされた短刀をかろうじて受け流し、周囲を見回す蝶子。
 「とりあえず…床下や庭にいた連中は全部殺したよ」
フラリ、と現れたのは…
 「あ…藍跳!!やっぱりあなたでしたのね!」
 「蝶子様!!」
 「雅逡!」
 「申し訳ありません、屋根裏、全滅です…!!」
気がつくと、二人の周りは敵対する間者たちに取り囲まれていた。
 「さて。死んでもらおうか」
パチン、と指をならした藍跳。それを合図に一斉に間者が飛び掛る。





見合いの席。
ツンツクツクツク、ツクツクツ~。ホワワワ~ン。
 「それは…本当ですか、インドカレー殿」
 「こんな大それた嘘などつきません、大将軍」
 「さ・く・ぞ・う」
 「…作造」




数刻後。
 「さすがに【空蝉】の幹部…。ほとんどやられちまったか…」
 「ハァ、ハァ…」
 「仕方がない。お前らの相手は俺がしよう。お前たちはあっちの屋敷を攻撃しろ」
 「なっ…させませんわ!」
 「おっとと、相手は俺だって言ったろ?」
 「くっ…雅逡、二人掛かりで倒しますわよ!」
 「承知!」
 「いいのか?一人じゃかなわないからって…アッチの屋敷がどうなっても。雇い主が襲われてるってのに。間者失格だなぁ?」
 「…うるさいうるさい!うるさいですわ!!」
 「ハハッ!まあいいさ。死ね!」

物凄い勢いで繰り出される斬撃。動きがまったく読めない。
 (なっ…初動がわからなかった…殺られる!!)

ギイン!

死を覚悟した蝶子の目の前ではじける金属音。

 (…?)
恐る恐る目を開ける。
 「だめだよ、早く屋敷に行ってお姉ちゃんを助けて☆」
 「…鈴央殿!」
 「韋駄天の鈴央、推参~☆」
 「感謝しますわ!雅逡!」
 「はい!」
 「行かせはしな…うわっ」
 「あなたの相手はあたしだよ☆」




見合いの席。
ツンツクツクツク、ツクツクツ~。ホワワワ~ン。
 「なんか外が騒がしいなぁ」
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つんつくつんつくほわわわーん(=^▽^=)
鈴央 2007/11/07 (Wed) 22:13 編集
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プロフィール
HN:
よしぞー
年齢:
51
性別:
男性
誕生日:
1973/02/20
職業:
平社員
趣味:
飲酒/睡眠/飲食
自己紹介:
〇マイペースじゃないと生きて行けません。

〇基本的にインドア派。

〇でも酒とうまい食い物の為ならどこでも行きます。

〇ルックス、知識、経済力、運動神経全てママンの体内に置き忘れて産まれてしまいました。

〇いわゆる低学歴低身長低収入高脂肪。低スペック。

〇非モテ人生まっしぐら。

〇でも楽なので修正する気ゼロ。

〇オンライン推奨。

〇来世でがんばろう。
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