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 「どうした、もう降参か?」
 「…ま…まだです☆ハァアア!」
もうかれこれ三刻ほどもうち合っているだろうか。
相手が馬上槍の名手、馬雲祿とあってか鈴央の戟はことごとくかわされ、まったく相手に届かない。
 「まさか、手を抜いているんじゃあるまいな?」
 「そんなこと…ありません☆これ以上ないくらい本気です!」
 「これがお前の本気か…。買いかぶっていたか」
 「…馬がかわいそうだっただけです☆でも…もう、そんなこと気にしません!」

戟を逆手に持ち、八双に構える。腰は低く落とし、見た目だけなら突き上げを狙ってるとしか見えない。

 「ほう、覚悟を決めたか。ならば…こちらも本気で行くぞ!」

とても70歳間近とは思えない気迫。
これだけ長い間鈴央の攻撃を受けていて、息ひとつ乱れていないのは流石である。

 「行くぞ、鈴央!これで…最後だ!」
 「行きます☆馬さん、ごめんね!」
 「喰らえ!」

 鈴央の目の前で、馬が跳躍。放物線を描き鈴央に向けて馬と、槍の穂先が突っかけてくる。この重量とスピードは…受けとめることも受け流すことも不可能。だが、鈴央は動かない。
 くるりと背中を向け、振り向きざま戟を頭上で回転させる。その戟の回転力で馬の前足を切断、そのまま得物の漸撃軌道を上に向け、馬の首から先を斬りおとした。

馬は声を出す暇もなく、絶命。

首が落ちる。

胴体から奔流のように血が噴出す。
その血が鈴央に容赦なく降りかかるが、気にもせずに…第二撃。

馬は跳躍の放物線のまま大地に激突。
からくも馬の背から離れた馬雲祿も地面に放り出された。

 「ぐはっ!」

なお立ち上がろうとした馬雲祿の目の前に、血みどろになった鈴央が仁王立ちしていた。
戟の刃は馬雲祿の首を狙っている。

 「…いかがでしょうか?」
 「…フン、たいしたもんだ。馬を真っ二つとはな。いいじゃろ、わらわの負けだ」
 「ありがとうございます☆」
 「では、約束通り、わらわの持つ技のすべてを教えてやる」
 「その前に…」
 「なんじゃ?」
 「馬さんの埋葬を」
 「ああ、そうじゃな」

こうして鈴央は馬雲祿に勝利した。
そして村のみなに別れを告げ、技を受け継ぐために一路西涼へと向かっていった。

 (待っていてください、緑葉様。もうすぐ、もうすぐ鈴央が参ります)

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プロフィール
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よしぞー
年齢:
51
性別:
男性
誕生日:
1973/02/20
職業:
平社員
趣味:
飲酒/睡眠/飲食
自己紹介:
〇マイペースじゃないと生きて行けません。

〇基本的にインドア派。

〇でも酒とうまい食い物の為ならどこでも行きます。

〇ルックス、知識、経済力、運動神経全てママンの体内に置き忘れて産まれてしまいました。

〇いわゆる低学歴低身長低収入高脂肪。低スペック。

〇非モテ人生まっしぐら。

〇でも楽なので修正する気ゼロ。

〇オンライン推奨。

〇来世でがんばろう。
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