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「緑葉様☆」
孫和の陣に戻り、楓緑葉の部屋へ戻った楓緑葉と鈴央。先に部屋に入り明かりをつけようとした緑葉を鈴央は呼び止める。
「ん?どうした?」
「ちょっと…このまま、背中を貸してください☆」
「ああ?」
コツン、と緑葉の背中に額を乗せる鈴央。
「ど…どうした?」
「少しこのまま…話を聞いてください☆」
鈴央はこれはまだ機密情報だ、とまず念を入れ、陸遜が死んだことを話し出した。
「…!!」
「わたし…馬騰様や馬超様も好きだったけど、陸遜様も大好きだったんです☆」
「…」
「ホントに…ホントに、大好きだったんです☆」
「…」
「だから…だから…」
「泣いてもいいぜ」
「…いいですよね?今日くらい…泣い…ても…」
「ああ、気にするな。俺は何も見ていないし、聞いてない」
くるりと体を反転させ、緑葉は鈴央をしっかりと抱きしめた。
「…緑葉様…ぅ…ぅわああああぁぁぁあん!」
「…」
「陸…陸遜様―――!うわああぁぁあああん!!」
「…」
結局…
鈴央が泣きつかれて眠ったのは、もう朝方近かった。
陸遜が死んでから4ヶ月。
陸凱の判断により、早馬による伝令が各都市に伝えられた。
江夏へ攻めてきた姜維配下の関彝は辛うじて撃退したものの、新野へ侵攻した朱然と江陵へ侵攻した陸凱は敗走。かなりの損害を受けた。
「大都督…まだ早かったんじゃないですか?」
「政治的配慮です、大将軍」
と陸遜に変わって大都督に就任した陸凱が言う。
「姜維はともかく曹丕への牽制を考えると、今がもっとも適当です」
丞相陸抗が補足する。
「蜀の劉備が崩御し、我が軍も馬超も曹丕も孟獲も蜀への攻撃を考えていました。すでに馬超、曹丕は軍をだしているとの情報も入っています。劉備の後を継いだ姜維も全力をもってこれを迎撃に出ているようです。今なら、父上(陸遜)が亡くなった報せを出しても、我が呉を攻撃するだけの余力は周辺国にありません。それに、弔問の使者を送らなければならない関係で、そうすぐに攻め込んでくるわけにもいかないでしょう」
「なるほど…。そういった意図でしたか。でしたら朱然殿や大都督、あなたの軍が攻撃に出たのは余計だったのでは?」
「いえ、これは陽動として必要でした。全力で戦う必要があったのです。もちろん朱然右護軍都督には了承済みです。大将軍であるあなたの頭越しに指示を出したことは謝ります」
「いやいや、そういった事情なら構いません。とりあえず…丞相、陸遜様の会葬の手配はどうなってますかな?」
「お任せください大将軍。この陸抗最初の任務として必ずや成功させます」
そして。
丞相陸抗を代表として主催された元大都督、陸遜の大会葬は呉の習慣に習い、これ以上ないくらい盛大に執り行われた。その様は、魏、蜀、南蛮など各地に「陸遜の大会葬」として後世に語り継がれるほどのものであったという。
「これは『陸遜の大会葬』だ」といえば「古きを尊び新しきを受け入れ、最高まで昇華した様子」を表す故事成語にまでなった。
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〇基本的にインドア派。
〇でも酒とうまい食い物の為ならどこでも行きます。
〇ルックス、知識、経済力、運動神経全てママンの体内に置き忘れて産まれてしまいました。
〇いわゆる低学歴低身長低収入高脂肪。低スペック。
〇非モテ人生まっしぐら。
〇でも楽なので修正する気ゼロ。
〇オンライン推奨。
〇来世でがんばろう。