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日刊よしぞーplus:原則木曜、日曜はお休みです。

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あの騒動から、また数ヶ月。
藍跳もなぜかおとなしく、一見すると平和な時間が過ぎていく。

だが、水面下では【空蝉】と【土竜】の情報戦が繰り広げられていた。

しかし。蝶子と雅逡、そして【空蝉】の必死の工作にも関わらず、徐々に、徐々に戦況は悪化していく。
無理もない。曲がりなりにも【土竜】は国家の大都督が抱える間者集団。
対する【空蝉】はしがない傭兵団所属の間者。
資金力が違いすぎる。

この差は、決定的な差となって、実体化してしまった。

 「…将軍…孫権様からの書簡…」
 「ありがとう、非鷹」
非鷹からソレを受け取ったインドカレーは、【空蝉】の敗北を知ることになる。

 「臣従拒否」

書簡にしたためられていた文字は、その四文字だけだった。

ガクリと膝をつき、ため息を漏らすインドカレー。
集まっていた楓緑葉、神鳴、非鷹もその様子で内容を理解した。

 「俺たちの勝ちだな」

不敵な笑みを浮かべ、藍跳が立っていた。

 「くっ…あなたたちの狙いは…なんなの?」
 「もちろん陸凱様による統治に決まって…」

 「残念ながら、それが狙いならあなたたちも負けですわよ」
息をきらせた蝶子。
 「なんだと―?どういう意味だ?負け惜しみはヤメロ」
その藍跳の言葉を無視してインドカレーに向き直る。
 「将軍。落ち着いて聞いてください。
京唄子、池田大作、紅音の集中砲火にあい、残存三都市で戦闘が発生。応戦した孫権軍、陸凱軍、丁奉軍、沈瑩軍、高翔軍は…壊滅。


呉は…






――――消滅いたしました」

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 「おかしいですわね?そろそろ臣従結果を知らせる使者が着いてもよさそうなものですけど…」

建業の城下町にしばらく滞在することにした一行。
孫権に無事軍の統合がすんだことを知らせるとともに、再臣従の許可を仰ぐ書簡を早馬に頼んだのはもう3ヶ月も前の話。蝶子が不安に思うのも無理はない。

 「将軍、居場所はちゃんと書いたんですよね?( ´・ω・)」
 「もちろん書いたわよ、りさ☆。何か事情があるんでしょう。噂によれば京唄子、紅音、池田大作の猛攻を受けてかなり忙しいらしいから」
 「そういえば鈴央殿も最近見ませんなぁ」
兵たちの鍛錬から戻った神鳴も話に入る。
 「何か聞いておりませぬか?緑葉殿」
 「え?俺?い…いや、手紙がまったく来なくなったんだよ、実は」
 「フラレタ?」
 「ふられたのですか?」
 「フラ(゚∀゚)レタ!!」
 「かわいそうに」
 「ちょ…お前たち…」
そこへ藍跳が入ってくる。
 「おう、お待ちかねのモノがきたぜ」
 「見せてください」

慌てて藍跳の手から書簡を受け取り、読み始めたインドカレー。だが、そこには。
 「そ…そんな…バカな…?」
 「どうしたのですか?」
 「読んでみて、蝶子」
 「…!これは一体…」
ニヤニヤと笑う藍跳。
 「まさか藍跳、あなた書簡をすり替え…」
 「おっと、まさかそんなことするわけないだろう。きちんと印が押してあるだろう?」
 「なあ、何が書いてあるんだ?インドカレー」
 「緑葉兄…つまり、臣従は断る、ということよ」
 「…なに?」
 「口には出せない罵詈雑言付きで…ね」
 「貸してみろ」

インドカレーから書簡を奪い取り、読み始めた楓緑葉の顔色がみるみるうちに青くなり、そして赤くなった。
 「…なんだこれ!おかしいだろ!おい、孫権様に何があったんだ!?藍跳、貴様…」
 「待てよ緑葉。俺はずっと一緒にいたろうが。何かおかしなことをすれば【空蝉】…蝶子と雅逡が気がつくだろう?」
 「ええ、藍跳にはおかしな動きはなかったですわ」
 「…とりゅふ…」
それまで黙っていた非鷹がボソリ、とつぶやく。
 「非鷹?」
 「…孫権様の…おそばには…大都督と…とりゅふ…のみ…」
 「そうか!藍跳、それが狙いか!」
 「やっと気がついたか緑葉。山茱萸軍とインドカレー軍が抜ければ、孫権派は丁奉のみ。そばには陸凱様ととりゅふ様しかいない。色々吹き込むには絶好の機会だよな」
 「まさか…」
 「インドカレー、残念だったな。いまじゃ孫権はお前のことなんざ敵としか見てねぇよ!ハハハッ!!」
 「と…とりあえず…もう一度…臣従願いをだすわ…」
 「無駄だよ、わかんねぇヤツだな!」
 「藍跳!」
藍跳の顔に雅逡の拳が入る。
 「グハッ!…へっ、何度でも言ってやる!もうお前らは用なしなんだよ!ハハハハ!」
 「藍跳、黙りなさい。わたしは孫権様を信じる。作造や鈴央、戻っていった山茱萸も心配だし。いざとなったら一人ででも行くわ」
 「好きにしろよ」

結局山茱萸やインドカレーたちが知ることはなかったのだが、今回の軍団合併劇は…とりゅふが仕掛けた離間の計だったのである。

まんまとそれにはまった彼ら。

疑心暗鬼の計にかかる孫権。

呉は、崩壊の道を歩み始める。
 「…なるほど。そういうことでしたら…喜んで」
大混乱をきたした朝食もひと段落し、孫権と山茱萸、インドカレーは三人で話し合いをしていた。
 「ふむ…。しばらくは我々だけでなんとかしよう。インドカレー、山茱萸。なるべく早めに戻ってきてくれ」
 「もちろんですとも」

孫権の許可も得て、インドカレー軍と山茱萸軍は陣営を離れた。
もちろん、他の勢力の目を誤魔化すためである。

 「インドカレー将軍、後は頼みましたよ」
 「任せてください、山茱萸殿」

無事に2つの軍は合流し、約束どおり山茱萸は軍を離れ、孫権の元へ戻っていった。

 「…まさか俺がインドカレーの部下になるとはな」
 「緑葉兄…ごめん」
 「いやいや、気にするな。全力で補佐させてもらうよ」
 「ありがとう」
 「これからはインドカレー将軍と呼ばないといかんかな?」
 「まさか。今まで通りでいいわよ」
 「それはありがたい。じゃ、よろしくな、インドカレー」
 「こちらこそ」



 「…なんの因果だよ、これ…」
 「まさか藍跳、あなたと同軍になるとは思いませんでしたわ」
 「こっちだって」
 「まだあの一件、許してませんわよ」
 「フン、なんなら今決着つけるか?」
 「…やめておきますわ」
 「腰抜けめが」
 「なんとでも」
 「まあ、策はもうすぐ成就する。今更戦ってもしかたがない…。ま、仲良くやろうや」
 「…?」

一人軍を離れるものの、

楓緑葉
神鳴
りさ☆
蝶子
藍跳
非鷹
雅逡

という編成となり、かなり強力な軍となる。

しかし。
孫権の元から離れたのは失敗だった、と気が付くのはそれからすぐのことであった。
 「インドカレー将軍、お話があるのですが」
いつもの朝の総合軍議のあと、イソイソと朝ごはんを食べに行こうとするインドカレーを山茱萸が呼び止めた。
 「…なんですか?山茱萸将軍」
朝ごはんの気分をぶち壊しにされ、いささか不機嫌に応える。
 「あ…申し訳ありません。お急ぎですか?」
 「いえ…そうでもないですが。でも可能なら急ぎたいですね」

それはそうだろう。
毎朝繰り広げられる戦争のようなおかず争奪戦。
敗れれば…おかずなしなのだ。
この時ばかりは役職の上下関係なく…士官、兵士入り乱れて大騒ぎする。
殴る、蹴るなどの暴力、暴言さえしなければなんでもアリの一大戦争。
まさに無礼講、インドカレー軍の名物でもある。

 「では手短に。…将軍、離反しませんか?」
 「…はい?」
 「いえ、我が軍を吸収してほしいのです。お互いの戦力強化のためにはそれがよいかと…」
 「なるほど。そのために一旦陣を離れる…と言うわけですか」
 「ええ。私は一旦将軍を辞し、別の軍へ転属願いを出しますから」
 「…返事はともかく、後ほどまた改めて相談しましょう。今は…失礼させてください」
 「わかりました。では後ほど」

走り去るインドカレー。
おかずは…漬物が少々残っていただけだった…。

 「将軍、お先にいただいてますわ」
 「今日の煮物おいしいー(^0^)」
 「もぐもぐ(`・ω・´)」
 「…蝶子、りさ☆、雅逡…とっといてくれるとか残しといてくれるとか、そういう気遣いはないの?」
 「あら、一人分おいといたんですけど、あの人が急に来て食べてしまいましたわ」
 「いただいてまーす☆」
 「鈴央!」
 「もぐもぐ…ここの食事は…もぐもぐ…やっぱりおいしいよ☆」
 「くぁwせdrftgyふじこlp;@!!!!」
 「わあああーっしょ…将軍!こんなところで槍を振りまわs…ゲフッ!!」
 「くぁwせdrftgyふじこlp;@!!!!」

インドカレー、暴走。止めに入る兵士をなぎ倒し、槍を振り回しつつ鈴央に迫る。
 「だ…だめだ!全員でお止めしろっ!」
 「凌家槍術四式…龍王殺!」
 「だああ!こんなところd」
 「いてぇぇええ!!」
 「ああああああ!」
 「ぎゃあああ!」
もう止まらない。いや、止められない。
もはやインドカレーの目は正気を失っていた。
まさに…阿鼻叫喚の地獄絵図。
 「鈴央――――!!」
 「馬流槍術…【転】!」
箸を置き、傍らの馬上槍をつかみ…インドカレーの一撃を受け止める鈴央。
 「くっ…」
 「ちょ、落ち着いて☆ちゃんとお姉ちゃんの分は残してあるから☆」
 「…ほんと?」
 「ほんと、ほんと☆ほら、ここに…あれ?」
 「もぐもぐ…いただいちゃいましたわよ?」
 「…ちょ…蝶子―――!!!」

結局。騒ぎを聞きつけた守備兵も蹴散らし。
ひょっこり現れた呉主孫権までもその槍にかけようとし。
びっくりした孫権直々に朝ごはんを奢る、ということでようやく落ち着きを取り戻したインドカレーなのだった。
京唄子、紅音、池田大作、吾彦、紀伊。、そして孫権。
現在、京陣営と紅音陣営が二大勢力となっており、戦力も充実。

どちらかといえばのこりの4つの勢力は反抗勢力として一般民衆に認識されているのが現状のようだ。
この中で三国鼎立の歴史を残すのは孫権のみ。
あとは新興の勢力である。

この現状は、孫権にしてみれば面白くないことは間違いない。
自分としのぎを削りあった曹操や曹丕、司馬懿、張遼、劉備や諸葛亮、姜維、南蛮王孟獲や燕王公孫康、逆賊諸葛誕と言った名前は今ではすでに歴史のものとなっているのである。

 「りさ☆、おまえを軍師に任命する」
 「拝命いたします。全力を持って職務を全うする所存です(`-ω-´)」
 「うむ。先だって軍師となった鈴央はまだ若い。しっかり見ておいてくれ」
 「それはワタクシが老けているということですか?(゚Д゚#)」
 「いやいや、そうではない。いつもフラっとどこかへ行ってしまうから、見張っておいてくれ、ということだ」
 「答えになってません(-ω-#)」
 「気にするな」
 「それに、鈴央殿の行き先は楓緑葉殿のところか、うちのインドカレー将軍のところじゃないですか。探すまでもないでしょう(・Д・#)」
 「ああ、もういい。下がってよい」
 「はい」
 (…ったくもう。どうしてわしの部下はこうも口答えの多いのばかりなんだ…)

ブツブツブツ。ブツブツ。ブツ。

 「鈴央軍師( ^ω^)」
 「あ、りさ☆殿…じゃなかった、りさ☆軍師」
 「孫権様から鈴央軍師を頼む、と言われたんで改めて挨拶にきましたよ(^-^)」
 「頼むって…何をですか☆」
 「さあ。緑葉殿との仲人…かしら(* ̄∀ ̄)」
 「…!いやん、まだそんなんじゃないですぅ☆」
 「まあいいわ。ところで、とりゅふ殿に何か動きは?(゚Д゚*)」
 「今のところ…表立った動きはありません☆裏ではなにやらたくらんでるみたいですけど☆」
 「わかった。裏の動きは【空蝉】に頼みましょう( ̄ー ̄)」

蝶子・雅逡
 「はっくしゅん!」

 「それにしても、元作造殿の…今は孫権様派、ですかね☆ようやく発言力が大きくなってきましたねぇ☆」
 「ええ。私に、鈴央殿、楓緑葉殿、蝶子殿、雅逡殿、山茱萸殿、神鳴殿…そして(-ω-)」
 「お姉ちゃん、ですね☆」
 「ええ、おとぼけカレー(゚∀゚)」

インドカレー
 「いっっっきし!」

 「ま、ともかく…今は作造殿が走り回って軍の建て直しをしているわ。周囲の敵国に比べ、戦力の差は歴然。なんとか士官を増やさないと(・Д・)」
 「そうですね☆今更孫権様以外にお仕えなんでできませんから☆」
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プロフィール
HN:
よしぞー
年齢:
51
性別:
男性
誕生日:
1973/02/20
職業:
平社員
趣味:
飲酒/睡眠/飲食
自己紹介:
〇マイペースじゃないと生きて行けません。

〇基本的にインドア派。

〇でも酒とうまい食い物の為ならどこでも行きます。

〇ルックス、知識、経済力、運動神経全てママンの体内に置き忘れて産まれてしまいました。

〇いわゆる低学歴低身長低収入高脂肪。低スペック。

〇非モテ人生まっしぐら。

〇でも楽なので修正する気ゼロ。

〇オンライン推奨。

〇来世でがんばろう。
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