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日刊よしぞーplus:原則木曜、日曜はお休みです。

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紅音が天下を平定してからまだ間もないと言うのに、北方の異民族を中心とした反乱が多発していると聞く。

また、大きな戦があるのだろうか。

そんなことをぼんやりと考えながら、今日も畑仕事にせいを出す、インドカレー。

鈴央と楓緑葉の子供を見てから、すぐに西涼を出た。
鈴央も緑葉も引き止めたのだが、なんとなく居心地が悪かった。
いや、良すぎたのだ。
その後りさ☆とも別れ、中原の東に居を構え、一人、晴耕雨読の生活を続けていたのだが。

 「もう腕も鈍ったのか…それとも齢を重ねたからか…鍬がなんとなく思いな」

フウ、とため息をついて腰を下ろし、持ってきたお茶をすする。
孫権、吾彦の元で働いた時の金がまだ残っているので、そうそう慌てて仕事をする必要もないのだが。
生来の貧乏性なのか、動いていないとやはり具合が悪い。

 (みんな元気だろうか…)

 「インドカレー殿とお見受けしますが」

昔なじみに思いをめぐらしていたインドカレーの背後に、一人の男。
まったく気が付かなかった。

 「確かにわたしはインドカレーですが。あなたは?」
 「私は孔融と申す者。この地の太守です」
 (孔融…?孔融ですって?記憶が間違いなければ…彼は黄巾の乱で…?)
 「これは太守様直々にわたしのような者にどのようなご用件でしょうか?」
 「今、この中華では黄巾賊とかいう野党くずれが反乱を起こしております。私としてもこれを見過ごすわけにもいかず、挙兵しようと思い…こうしてこの地にいる腕のたつ人たちに声をかけてる次第です」
 「わたしに仕官しろ、と?」
 「はい」
 「…明日まで考えさせてください」
 「わかりました。良い返事を期待していますよ。では」

おかしい。
明らかにおかしい。
黄巾賊?
時が戻ったとでもいうのか?

しばらくの間考え込んでいたインドカレーだったが。
 「うん。考えていてもしかたがない。いずれわかるだろう。ならば…とるべき道はひとつ」

インドカレーは立てかけてあった槍を手に取り、手早く荷物をまとめ、小屋をあとにした。

~孟獲くんの大冒険・第十四部~孟獲くん以外の大冒険legend、スタート!
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紅音、禅譲により中華の覇者となる。
吾彦、京唄子は臣下の礼をとるも…粛清の嵐が吹き荒れ、以前より紅音に敵対していた者たちは次々と殺されていった。



数年後、西涼。



 「オギャー!オギャー!」
 「生まれましたぞ、緑葉殿!立派なお世継ぎです!」
 「ああ、息子か…!よくやった、鈴央!」
 「ハァ…ハァ…緑葉様…」
 「さあさあ、お子は産湯に…鈴央殿もお疲れですから緑葉殿、手短にお願いしますよ」
 「わかってる。…鈴央、本当によくやってくれた。ありがとう…」
 「…フフ、嬉しいです☆あの…実は、子供の名前なんですけど…」
 「ん?名前?」
 「ええ。お姉ちゃんの名前から字をもらおうかと思ったんですけど、どこも取れないんで…」
 「ハハ、そりゃ『インドカレー』じゃもらい様がないな」
 「だから、あたしたちの恩人、蝶子殿、雅逡殿から一文字ずついただこうと…☆」
 「それはいい。で、名前は?」
 「…蝶逡」
 「うん、いい名前だ」
 「ありがとうございます☆」
 「それにしても、みんな元気かなぁ」
 「…蝶子殿と雅逡殿と…【空蝉】のみんなはあの後すぐ戻っていったけど…☆お姉ちゃんが生きてるのかどうか…まったくわからない…」
 「…きっと生きてるよ。りさ☆も、神鳴も、非鷹も、もちろんみんなも」
 「そうですよね☆」
 「じゃ、また後で来るよ」
 「はい☆」




紅音の宮殿、大尉に任じられた吾彦の執務室に一通の書簡。
そこには、あの日兵を呼びに行ったものの戦闘には間に合わず、到着したころには部屋はすでにもぬけの空となっていたため、吾彦直属の官僚となった神鳴と非鷹がいた。
 「大尉、その書簡は…」
 「ん?これは…!【空蝉】からだ!」
 「なんと!で、内容は…待て待て。えーと…

 『前略

 失礼かとも思いますが急を要する為用件のみお伝えいたします。
 北方…北海周辺にて反乱の気配があります。
 これに乗じ、決起しそうな不穏分子も多数確認しています。
 至急治安部隊の手配をお願いいたします。
 
 なお、私事ではありますが、我ら【空蝉】はもともと闇に生きる間者。
 今後はもう表舞台に出ることはないでしょう。
 皆様のご武運をお祈りいたします。
 ご健勝を。

 草々
 
 【空蝉】頭領 蝶子  』




さらに数ヵ月後、西涼。


 「おお☆よしよし☆いいこですねー、蝶逡☆」
 「アブー」

 「よっ!(^-^)ノシ赤ん坊生まれたんだって!?(*゚ω゚)」
 「なんだ鈴央。わたしには内緒だなんて水臭い。緑葉兄は元気?」
 「…あっ…」

~孟獲くん以外の大冒険limited~

池田大作の凶刃がインドカレーに迫る。
いち早く反応した鈴央だが、得物がないことに気づき、体をはった。
 「緑葉様…ごめんなさい!」
 「鈴央―――!!」
 「ぐはっ…!」
 「あれ、痛くない…?…あ…藍跳!?」
 「ちっ…俺もヤキがまわったかな…なんで助けちまったんだか…」
 「藍跳!」
 「くそ、失敗か!?野郎共!!全員ぶち殺せ!!」

池田大作の声に反応し、彼の腹心たちが暴れ始める。
 「藍跳!藍跳!」
 「…俺のために泣いてくれるのか…鈴央?…【土竜】!よく聞け!これより我ら【土竜】は【空蝉】として蝶子の指揮下に入る!これは命令だ!…わす…れ…る…な…」
 「藍跳!?何を言い出すんですの!?」
 「…」
藍跳を抱えていた鈴央が首を振る。
 「くっ…藍跳の遺志、しかと受け取りましたわ!【空蝉】、臨戦態勢!最優先目標…楓緑葉殿と鈴央殿の安全圏への離脱!以上!かかりなさい!」
 「ちょ…ちょっと☆あたしも戦…」
 「すまない蝶子殿!鈴央、行くぞ!」
 「やっ…いやあ!戦う!あたしも戦う!」
 「こっちだ、早く来い!」
 「やだあぁぁぁああ!!お姉ちゃ―――ん!!」
 「緑葉兄、頼んだわよ!さあ池田大作、あんたの標的はここよ!かかってきなさい!」
 「将軍!( `・ω・´)」
 「りさ☆!後ろをお願い!神鳴、非鷹は兵を招集して!」
 「了解!」
 「…」

楓緑葉は鈴央を抱え、脱出。蝶子と雅逡、【空蝉】は二人を援護しつつ応戦、徐々に戦線を離脱し始める。
インドカレーとりさ☆の周囲は敵のみとなる。
 「ふん…こんな終わり方もいいかもね」
 「お供しますよ、将軍( ^ω^)」
 「じゃ、行くわよ!凌家槍術極式…破軍!」


 「お姉ちゃんお姉ちゃん!お姉ちゃ―――ん!!」
 (…スマンインドカレー…!!死ぬなよ…!)

 「紅音との停戦協定が締結されました。力を尽くしたのですが…」
肩を落として神鳴がインドカレーに報告に来た。
 「しかたがないわ。所詮我々は新参者。古参の幕僚たちが団結してしまったら手も足もでないもの」
 「どうします?」
 「どうもこうも…すぐに京唄子との隣接地へ移動するわよ。神鳴、非鷹、準備をお願い」

 「将軍(゚Д゚)」
扉を叩く音。
 「どうしたの?りさ☆?」
 「諜報部隊が戻りましたよ(゚ω゚)」
 「わかったわ。今行く」



孫権軍兵舎。
 「鈴央」
 「あっ緑葉様☆どうされたのですか?」
 「大事な話があるんだ」
 「?」
 「…軍を出て、二人で暮らさないか?」
 「え…それって…☆」
 「結婚しよう、鈴央。俺と一緒になってくれ」
 「…緑葉様…」
 「いずれ近いうちにこの中華は紅音のものになる。我々が粛清されるのも時間の問題だ。俺は、お前だけは助けたい。…というのは建前で、俺にはお前が必要なんだ」
 「…緑葉様…」
 「なあ、鈴央。俺と一緒に暮らそう…?」



インドカレー軍。
 「お疲れ様、蝶子、雅逡、藍跳」
 「やはり紅音との内通者がいましたわ。新王朝での高官位と引き換えに吾彦君主を売ったようですの」
 「…なんてことなの…」
 「その件で、楓緑葉殿が話があるそうです」
 「緑葉兄が?雅逡、何かしら」
 「それは本人から聞いてください」
 「来てるの?」
 「はい。今藍跳と話をしています」
 「入ってもらって」
 「わかりました」

 「スマン、突然だけどインドカレー。俺は軍を抜ける」
 「…は?」
 「入れ」
 「…鈴央?」
 「俺と鈴央は結婚する。そして兵士を辞めて、西涼へ帰るつもりだ」
 「…本気なの?」
 「ああ。俺に楓野志穂の名前は重すぎた」
 「…鈴央、あなたはそれでいいの?」
 「…あたしは…緑葉様と一緒にいたい…☆」
 「…わかった。もう何も言わないわ」
 「孫権様にも、吾彦様にもすでに話は通してある。急で申し訳ない」
 「それで、いつ行くの?」
 「できれば、明日にでも」
 「そう。じゃあ、今日はみんなで盛大に呑み…」

ガシャン!
インドカレーの言葉をさえぎって大きな破壊音が響く。

 「何事!?」
 「申し訳ありません。紅音配下、池田大作の強襲部隊が…!」
 「なんですって!?停戦協定はどうなったの!?」
 「俺にはそんなの関係ねぇよ!お前らを叩きのめせればそれでいいのさ!」
 「い…池田大作!こんなところまで!?」
 「簡単だったぜ!死ね、インドカレー!」
 「お姉ちゃん、危ない!☆」
 「り…鈴央!!」
京唄子、紅音に対抗するため盧江に常駐するインドカレー軍。
隙あらば…と狙ってはいるのだが。

 「なかなか好機に恵まれませんね」
神鳴がため息混じりにつぶやく。
 「早く戦させろー!(`ε´)」
 「もう少し落ち着け、りさ☆。いくらなんでも紅音の本陣に突っかかるほどうちの軍は強くない」
 「ブー(-Д-)」
 「そういえば…最近緑葉兄の姿を見ないけど…」
 「…蝶子殿と雅逡殿も見ませんね」
 「いや、蝶子と雅逡は別件で外に出てるからそれはいいんだけど…」
 「藍跳」
 「なんだ」
 「どうも軍内の士官たちの様子が変だ。何か知らない?」
 「いえ、特に」
 「ホント?」
 「本当です」
 「非鷹?」
 「…知らない…」
 「そうか…」
 「ひとつ、情報があるんだが」
 「なに?藍跳」
 「紅音から停戦の使者が来ているらしい」
 「…は?」
 「いや、吾彦君主の意向ではないようなのだが…」
 「それはそうでしょう。で、幕僚の動きは?」
 「それは神鳴に聞いたほうがわかるでしょう」
 「…受諾の方向に固まりつつあります」
 「…なんで?」
 「京唄子への怨嗟の方が強い、ということでしょう」
 「馬鹿げてる…停戦協定なんか結んだらもう献帝の禅譲対象は紅音に確定しちゃうのよ!?」
 「それでもなお、ということだろうな」
 「馬鹿げてる…馬鹿げてるわよ!」
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プロフィール
HN:
よしぞー
年齢:
51
性別:
男性
誕生日:
1973/02/20
職業:
平社員
趣味:
飲酒/睡眠/飲食
自己紹介:
〇マイペースじゃないと生きて行けません。

〇基本的にインドア派。

〇でも酒とうまい食い物の為ならどこでも行きます。

〇ルックス、知識、経済力、運動神経全てママンの体内に置き忘れて産まれてしまいました。

〇いわゆる低学歴低身長低収入高脂肪。低スペック。

〇非モテ人生まっしぐら。

〇でも楽なので修正する気ゼロ。

〇オンライン推奨。

〇来世でがんばろう。
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