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頼みの蝿王軍も最近動きが滞りがちで、今現在では戦力として数えるわけにはいかない。
どうするか…インドカレー、蒼欄、クラ8世が相談しているところに、朗報が飛び込んでくる。
「軍議中に失礼いたします。獅子殿が面会願いたい、とお越しになっておりますが…」
「…獅子…殿?というと…あの獅子殿でしょうか}
「ご主君、先日ご主君自ら友好条約を結ぶためにお出ましになられたものの、関羽に滅ぼされてしまった…あの獅子殿で間違いないかと」
「やはりそう思う?蒼欄」
「ええ。用件はなんでしょうかね?」
「今は傭兵暮らしをしているらしいですから、傭兵としての契約では?」
「クラ8世、それならわざわざ獅子殿が来る必要はないでしょう。代理の者で十分なはずです」
「それもそうですね」
「…とりあえず会ってみましょう。伝令兵。ご苦労ですが、こちらにお越しいただいてください」
「はい、かしこまりました」
「お初にお目にかかります、私は獅子と申しまして、今は傭兵軍の頭目をしている者です」
「先日の関羽戦は残念でしたね」
「おお、覚えておられますか…。いや、お恥ずかしい」
「いえいえ。関羽といえば神将とまで言われる英傑。仕方がありません」
「そう言っていただけると面目がたちます。確か、その時インドカレー様は我々に向け友好条約の使者を送っていただいていたとか」
「はい。ただし、使者ではなくてわたしが、ですが」
「…それは…せっかくのご足労を…」
「気にしないでください。ところで獅子殿。今日のご用向きはなんでしょう?」
「そうでした。実は…我々の軍団を末席に加えていただけないかと思いまして、こうして馳せ参じた次第です」
「なんと!わたしたちの陣営の力になっていただけるのですか!?これは心強い…いえ、むしろお願いしたいくらいです」
「では、臣従を承諾いただけるのですね?」
「もちろん。これからよろしくお願いします」
「もったいないお言葉。こちらこそお願いいたします」
一時は君主にまでなった獅子とその軍が配下に加わる。
地獄に仏とはまさにこのことだ、とインドカレーは胸をなでおろすのであった。
さらに飛び石的ではあるが汝南、新野、許昌も領土として保有。
インドカレー陣営は勢力としてそこそこの地盤を固めることに成功していた。
ガルベスが降格し、蝿王が将軍となってからは機動力も上がり、西へ東へ忙しい。
目下のところ、劉備、劉表、曹操が敵となる。
本当にこれで正しいのだろうか。
その疑問、思いは消えない。
むしろ日に日に大きくなってくる。
戦いをなくすために、戦わなければいけない…ジレンマ。
それでも…
戦わないことには、はじまらない。
そう決心したはずなのに…まだ、心のどこかでそれを否定する声がする。
少しずつ、少しずつ。
徐々に。
インドカレーの心は…崩壊し始める。
長安はなんなく取り戻すことができたものの、長安、弘農、漢中周辺の農村地帯の荒廃が目に余る。
「早く戦のない世の中にしなければ…」
そう願いつつ戦うことしかできない自分に腹が立つ。
思い通りにならない世界。
思いが伝わらない世界。
思いが返ってこない世界。
自分がしていることは果たして正しいのか?
自分の思いは正しいのか?
自分の思いは正しく伝わっているのか?
すべてが、わからない。
蒼欄の言葉に、ピクッとインドカレーの眉が上がる。
「…どうかしましたか?」
「…いいえ、なんでもありません。続けてください」
「はい。どうやら本体の京唄子軍は洛陽へ進軍する準備を進めているようです。そうすると弘農に残るのは劉継愛娘軍の千五百のみ。陥落は容易かと」
「わかりました。すすめてください」
「かしこまりました」
京唄子。
確かにインドカレーには聞き覚えがあった。
以前、紅音が献帝から禅譲を受けた世界で、最後まで吾彦とともに覇を争った強力な君主。
(同一人物…か?可能性は…あるわね)
もし同じ人物だとしたら…そう簡単に壊滅させられるわけがない。
(でも…情報によれば、洛陽には関羽軍七千と張飛軍五千が駐屯していると聞く。彼女は何を考えているのか…)
考えれば考えるほどわからない。
(まあ、考えても仕方がない。密偵の情報を信じましょう)
結果。
確かに情報どおり京唄子本軍は洛陽を攻撃するものの、関羽に阻まれ敗北。
インドカレー軍は予定通り劉継愛娘軍を敗走させ、帰る城を失った京唄子は滅亡した。
しかし。
インドカレーも長安を劉表配下の黄祖に攻められ、落とされていた。
長安で曹操から謀反を起こした高覧に対し、攻撃をしかけることにしたインドカレー軍。
別に曹操に借りがあるとか貸しをつくろうとかそういうことではなく、ただ単に長安攻略がのちのためである、と戦略的に思えたからだ。
長安を見下ろす山の上に陣取ったインドカレーは城の防備を値踏みするように眺めながらつぶやいた。
「…どう見る?蒼欄。情報は入っているの?」
隣に並ぶ蒼欄は次々と送られてくる書簡に目を通しながら答えた。
「そうですね。密偵の情報によると…高覧軍はおよそ七千の兵をもって篭城しております。武装は弓。まあ篭城の基本ですね」
「そう…。こちらの兵力を相当上回りますね。しかし…こちらには必殺の武器があります」
「…必殺の武器?」
「気合です」
「…それは頼もしいですね」
「冗談ですよ」
「…」
沈黙する二人。おそらく初めて体験するであろう苦戦に緊張しているのかもしれない。
「ご主君ー」
「フイメイ。準備はできましたか?」
「ええ、万事整いました。いつでも出撃可能です」
「わかりました。では…いつものように指揮をとってください」
「御意」
開戦。
長安に立てこもる高覧軍の反撃は予想以上だ。
無理もない。ここで負ければ滅亡は必至だからだ。
毛腐小隊、孔融小隊、虎星☆小隊など各所で敗北。起死回生を狙った漢星の一騎討ちも敗北。
蒼欄の仕掛けた落とし穴も敵軍師に見破られる始末。
しかし。
「戦は気合だ!」
根性論のみで押し返す。
「絶対負けらんねぇ!」
「勝つぞ!」
勝利への執着はインドカレー軍のほうが強かったようだ。
なぜなら。負けたときには罰として『菊の門スパイス責め』が待っているのだ。これは負けられない。
結局、兵数や局所戦での負けなどなんのその。
長安を陥落させてしまった。
「ほら、戦は気合でしょ?」
蒼欄の得意気な顔を見て、ため息がとまらないインドカレーだった…。
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〇基本的にインドア派。
〇でも酒とうまい食い物の為ならどこでも行きます。
〇ルックス、知識、経済力、運動神経全てママンの体内に置き忘れて産まれてしまいました。
〇いわゆる低学歴低身長低収入高脂肪。低スペック。
〇非モテ人生まっしぐら。
〇でも楽なので修正する気ゼロ。
〇オンライン推奨。
〇来世でがんばろう。