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大将軍作造を筆頭とする勢力領土を広げようとする、純粋な武官たちの派閥がひとつ。最も野望とは遠く、どちらかというと孫権…というより呉がとってきた政策に反する勢力だ。どちらかといえば孫策の考えに近い。純粋がゆえに他の派閥にいいように利用されている…気がしないでもない。朱拠、丁奉、インドカレー、楓緑葉、、鈴央、りさ☆などが(本人にその気があるかどうかは別として)属する。

次に、大都督陸凱を筆頭とする江南を支配地として一大商業地として昇華させ、戦争ではなく金融政策で天下をつかもうとする派閥。もともと陸家は商家なので、陸凱が金にこだわるのはおかしな話ではない。そもそも呉という国は地域の富豪や財閥などの連合から始まった国家なので、最も周囲に受け入れられやすかったこともあり、現在派閥としては最大の勢力である。とりゅふ、孫和、沈瑩、孫峻、孫チン、韋昭、カン沢、孫休、張休、濮陽興などが属する。

最後に、呉の維持を目指し、専守防衛を旨とする派閥。一番孫権の政策に近い集団である。丞相陸抗を筆頭とし、諸葛瑾、諸葛格などがいる。最も勢力としては小さい。

現在の呉はこの3つの派閥によって運営されているといっても過言ではない。

 「ううむ…。江夏、零陵、寿春が落ちたか…」
 「孫和将軍と沈瑩将軍により武陵と会稽はわが領土となりました」
 「それではいかんのだ…」
背中で報告を聞いていた丞相陸抗は諸葛格のほうへ向き直った。
 「…といいますと?」
 「孫和殿も沈瑩殿も伯父貴(陸凱)の一派。これでまたあの派閥が大きくなってしまう」
 「金の亡者どもですか」
 「亡者という表現は適切ではないが…うむ、困ったものだ」
 「聞けばカン沢殿も寝返ったとか…」
 「ああ。カン沢殿ほどの古参の文官がな。何があったのか…」
 「その点につきまして真相を探らせるため、2名ほどカン沢殿の下へやりました」
 「インドカレー将軍のところか」
 「はい」
 「彼女はお世辞にも頭がよい、とは言えないからいいが…カン沢殿に気取られぬよう、気をつけてくれ」
 「御意」

 「将軍、新たに仕官者が参っておりますぞ」
交趾の練兵場で兵たちを指揮していたインドカレーの元に、カン沢がやってきた。
 「本当ですか、軍師殿。それはありがたい。して、その者たちはどこに?」
 「今、りさ☆殿と顔合わせをしております…あ、きたようです」
若い2名の武将がこちらへ向かって歩いてきた。女性と男性。
 「私がこの軍の指揮官、インドカレーです。よろしく頼みます」
 「雅逡と申します。着任の許可をお願いします」
 「蝶子ですわ。ワタクシが来たからには百人力ですわよ」
 「これは頼もしい。2人とも、よろしく」

 「丞相、無事潜入に成功したようです」
 「そうか。元遜(諸葛格)、慎重にな」
 「心得ております」
諸葛格の放った密偵とは、蝶子と雅逡だったようだ。
この2人がインドカレーの未来に大きく影響してくるとは、このときまだ誰も気がつかなかった…。

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大都督陸凱より、全軍へ最新の戦力情勢図が早馬で送られてきた。
それによると現在は下記のようになっている。

汝南:孫峻
江夏:孫権、陸凱
長沙:孫和
零陵:丁奉、孫チン
寿春:朱拠、陸抗
盧江:朱然
建安:沈瑩
交趾:作造:インドカレー
建業
柴桑
南海
桂陽

 「…建業と柴桑が…危ないな。大都督はわかっておられるのか…?」
 「…私ごとき若輩者にはわかりませぬが…確かに…これは…素人目に見ても…」
南海の治安慰撫ののち、交趾への進軍を大将軍作造により命ぜられたインドカレーは、なぜか作造本人と軍卓を囲んでいた。
 「大将軍といわれていても、所詮現場での指揮監督官に過ぎぬ。軍務の最高責任者である大都督には逆らえん。だが…これはひどすぎる」
 「…え?そうなんですか?てっきり軍務の責任者は大将軍だと…」
目を丸くして驚くインドカレー。
フゥ、とため息をついて作造が話し始める。
 「そうか、どうもさっきから話がかみ合わないと思っていたらお前は役職や官職を理解してないんだな?」
 「…面目ありません。不勉強なもので…」
 「まあいい。この機会に覚えてくれ」

と、一晩中講義を受け、フラフラになって自分の部屋に戻ったインドカレーは、バッタリと寝所に倒れこんで…寝てしまった。今日の分の釣り書きを見るのも忘れて。

 ちなみに…現在の呉では下記のようになっている。
国の最高責任者は内部的には君主といわれ、これは孫権その人を指す。
公的には漢王室から賜った…公、王、や大司馬、などの公職名で呼ばれる。孫権は劉備(現在は姜維)が漢中王、曹丕が魏王を呼称しているのを受け、呉王を自称している。

以下、大きく軍事担当官と内政担当官に分類される。

 軍事担当間の最高責任者は大都督、以下護軍都督(前後左右中の5名)、驃騎将軍、車騎将軍、衛将軍、四将軍(前後左右)…と常設の役職が続く。これらは常に都市の太守とともに都市の防衛や治安維持に当たる、防衛の要となる。
 また、遠征や侵攻の際に任命される非常設官というものがおり、上から大将軍、四征将軍(東西南北)、四鎮将軍(東西南北)、四安将軍(東西南北)、四平将軍(東西南北)…と続く。これらは有事の際に臨機応変に指揮官などに与えられる呼称のため、侵攻軍や遠征軍が解体されるときに自動的に解任となることが多い。
 この他に褒美として与えられるいわゆる「称号」的な名前もあり、征虜、鎮軍、安遠、輔国…とさまざま。
また、一般的に大将軍など指揮官付きの副将や指揮官代行などの武将は偏将軍、裨将軍に任官される。

 内政担当官の最高責任者は右丞相であり、一般的に「丞相」と呼ばれ、宰相となる。以下左丞相が副宰相、相国、と続く。この他は内政の内容により(人事や外交、国土開発や治水工事、治安維持…などにより細かく分岐していく。

 特殊な役職として参謀職、軍師職があり、参謀は長期的な戦略(外交や軍事含め)を担当し、その担当によって軍事担当参謀、内政担当参謀などになり、それぞれの役職の補佐に就く。
 軍師は侵攻軍や遠征軍などに随行し、短期的な作戦立案、侵攻や遠征を有利に導くための戦術立案を担当する。一般的には軍付きとなるため、非常設役職だが、名誉職として軍師長、筆頭軍師、右軍師、左軍師などが存在する。

(以上、ほぼ中国正史に基づきます)
孫権への将軍就任連絡に関してはカン沢がすべて取り計らってくれたおかげで、特に問題なく認められた。
最初の任務は大将軍作造からの依頼で、南海の事後処理であった。

南海で徴兵、費イ領である交趾を攻略することに成功した作造は徴兵後の治安回復のため、新任のインドカレーをその任務にあてたのである。

 「それに合わせて、新たに部下を配属させる。よろしく頼む」
 「かしこまりました」
 「りさ☆、入れ」
 「はい。りさ☆と申します( ´∀`)。インドカレー将軍、これからよろしくお願いします( ^-^)b」

扉を開き入ってきた女性はインドカレーの前でひざまずき、臣下の礼をとった。

 りさ☆。38歳の女性士官。文武両道、の言葉は彼女のためにあるような言葉で、突出した力はないものの武にも智にも長けた武将である。
 先般の戦でそのいぶし銀ともいえる活躍を作造に見出され、士官として取り立てられた、たたき上げの将である。

 「こちらこそ、よろしくお願いします。私はまだ若輩者。いろいろご教授お願いします」
  「よろしくお願いしますね( ^∀^)」


南海へ向かう道すがら。
インドカレーは今まであったことを思い出しながら物思いにふけっていた。

鈴央との戦いのこと。

楓緑葉のこと。

凌統の首をとり、母の仇を討ったこと。

カン沢が凌統とのことを咎めもしないこと。

すんなり将軍に就任したこと。

…鈴央と楓緑葉の件はともかく…

 (この将軍就任劇…何か私の知らないところで力が働いている気がする…)
 「何かお悩みですか?(?Д?)」
 「りさ☆殿…」
 (このりさ☆殿も大将軍からの推挙…何か知っているかも知れない…が…)
 「あの…いや、なんでもないです」
 「そうですか?」
 (まあ、そう急くこともない。じっくり行こう)




 「大都督」
 「おお、とりゅふか。して、一通り終わったか?」
 「ええ。問題なくインドカレーは将軍に就任いたしましたわ。カン沢を抱き込んだ甲斐があったというものです」
 「人聞きの悪い。協力を要請した、といえ」
 「失礼いたしました」
 「とりあえずは順調か」
 「はい。大将軍もインドカレー本人も気づいている様子はありません」
 「楓緑葉と鈴央の二人はどうだ?」
 「問題ありません」
 「うむ。もし発覚すればこの呉が危ない。慎重に行こう」
 「かしこまりました」

陸凱は下がれ、と手を振る。
 (作造…)

孫権、作造、陸凱、とりゅふ、陸抗、カン沢、楓緑葉、鈴央、りさ☆、そしてインドカレー。
それぞれの思惑をはらみ、呉の運命は大きく動き始めようとしていた…。
 「いくわよ!凌統!」
 「…遠慮はいらん…全力で…来い!」
 「当たり前だわ!老いたりとはいえ魏の張遼をも退けたその力、見せてもらう!」

ゆるゆると槍を中段に構える。
 「フンッ!」
気合一閃、中段から下段に変化させて凌統へ突っ込むインドカレー。
 「奥義!凌家槍術四式、龍王殺!」
下段からの突き上げと矛先を変化させた上段からの突き下ろしが龍の牙のように見えるところから名づけられた、変化技。しかし。
 「…奥義とはそれ単体では意味をなさぬ、と教えたろう!」
剣で下段の突きを受け止め、そのまま上段の突きも受け流し、あっという間にインドカレーの懐に滑り込んだ凌統。
 「しまっ…」
 「凌家剣術参式、龍旋風!」
体を中心に円形に剣を薙ぐ凌統。受身をとることもままならず、かろうじて体をひねって剣の切っ先ではなく根元でその勢いを受け止めるインドカレー。

ボキッ…

骨の折れる音が響く。

 「グ…ハゥ…」
 「…ふん、切っ先だったらお前の体は真っ二つだったな。いい判断だと褒めてやろう…」
 「ガハッ…」
インドカレーの口から血が滴り落ちる。予想以上のダメージだ。

それからお互い数合切り結ぶも、凌統は矢のダメージが、インドカレーは龍旋風のダメージが蓄積し、目に見えてスピードもパワーも落ちてきた。


そして。


 「…最後だ」
凌統が剣を上段に構える。
 「…最大奥義…武王殺…いいでしょう…お互い最後の一撃…」
インドカレーも槍を引き、八双の構えを取る。

カン沢や鈴央、それに兵士たちもこの戦いを黙って見守っている。

 「「奥義!」」

振り絞るように二人が咆哮。

 「凌家槍術四式―――武王殺!!」
 「凌家剣術四式―――武王殺!!」

剣と槍の軌道が一致する。きらめく切っ先と穂先。
刃物が高速でぶつかり合う耳障りな金属音と、続いて鈍い破壊音。


…肉を切る、音。


…骨が砕ける…音。


…静寂。











決着。



 「ここに亡骸は埋めていきましょう」
カン沢が疲れた顔でつぶやいた。
 「あたしは何も見てないぉ☆孫権様のところに帰らなくっちゃ☆」
 「…」
 「まったく、鈴央にも困ったものですな。ところで全兵士には入城後、場内の索敵と清掃を命じました。また、食料や資材関係の収集も同時に指示してあります」
 「…」
 「いつまでもここにいても仕方がありませんぞ。はやく城へ…江陵へ入りましょう」
 「…」
 「ほら、行きますよ―――インドカレー将軍」
 
凌統に勝った。
しかし、なぜかしっくりこない。
最後、剣と槍がぶつかる瞬間。わざと凌統は力を加減したように思える。
 「母上…」
仇はとった。
そうつぶやくインドカレーの目に、涙が溢れ出してとまらない。
なぜか、体の一部をなくしたような、そんな虚無感が彼女を支配していた。

カン沢の計らいで、凌統の後を正式に継承することになり、インドカレーは凌統軍を引き継ぐことになった。

鈴央の得物は戟、インドカレーの得物は槍。
どちらも間合いの長い武器であるが。

槍は突きが主体の攻撃になるのに対し、戟は薙ぐことを重点に置く。
人間の身体構造からすると、若干インドカレーが不利であろうか。

ギィン!
2人の得物の穂先が交錯する。
 「大体ね、あたしぃ、あんたが嫌いだったのよ☆」
 「な…なぜ!?鈴央のことは妹同然に思っていたのに…やめて、あなたとは戦えない!」
 「ふざけないでょ☆あんたの妹だなんて反吐がでるわ☆」
鈴央は右腕に力を込め、そのまま右上段から袈裟掛けに薙ぎ降ろす。
クルリ、とインドカレーは器用に槍を動かして戟を受け流した。だが、反撃にはでない。
 「どうして!?私があなたに何をしたっていうの!?」
 「攻めてこないの☆アハ☆甘っちょろいわね☆そーぃう所も大っっっ嫌い☆」
腰をひねり、体のバネを使って戟を振り回した。あまりのスピードに穂先は見えない。
 「クゥッ!本気なの!?」
さすがに捌ききれず、徐々に傷を負い始める。ヘタに受け止めると槍が折れてしまう。
そもそも、矛や戟ならともかく一般的な槍は馬上槍を含めて「攻撃を受け止める」ように作られていない。
 「本気よ☆あんたはあたしの大事なものを全部独り占めした!」
 「…」

 「馬騰様も☆」

 「…馬超様も☆」

 「…陸遜様も☆」

 「…ヒック…何より…」

 「…緑葉様も!」

 「…う…うわあああぁぁぁぁぁあああああん!!!!」

泣きながら戟を振り回す鈴央。もはや型などなく、思いのままに振り回しているだけである。
 「…ごめんね、鈴…」
 「謝るなっ!!」
 「だって…」
 「謝るくらいなら最初からやるなっ!!!」
 「…」
 「いまさら謝るなんて卑怯だ!!」
 「ごめん」
 「謝るなって言ってる!!」
 「…でも、ごめん。私は…私は、母の仇をとる。それは、譲れない!」
クルッと槍を回転させ、柄の部分で突きを繰り出す。
 「奥義!」
槍の穂先が2つ、3つ、4つと残像で増えていく…
 「凌家流槍術弐式、虎旋風!」
 「グッ」
まともに突きを喰らって鈴央は吹き飛ばされた。
 「まだやる?」
 「…負け…ちゃった…☆エヘ…☆ずるいょ…武術まであたしより強いなんて…☆」
 「まさか仇から習った技を使うとは思わなかったけれどね」
 「いいわ☆殺しなさいよ☆」
 「かわいい妹を殺すわけないじゃない。悪いけど私、緑葉兄のことは確かに好きだけど、恋愛相手とは思ってないわ」
 「…ほんと?」
 「ええ、嘘つかないわ。鈴央、応援してあげる」
 「わーいっ!おねぇちゃん大好きっ☆」
 「ウフフ、現金ねぇ」

インドカレーは恋愛相手と思っていない、といったときに感じたホンの少しの胸の痛みを気づかないふりをして、鈴央を立ち上がらせた。

 「さて…凌統。首はもらうわよ。結果的に鈴央との戦いが私に決断させてくれた」
 「…強く…なった…な…。かかって来い!」

最後の力を振り絞り、得意の得物、剣を構える。今度は圧倒的にインドカレー有利である。
だが、相手は凌統。槍の懐の深さなど一瞬でゼロにしてしまうだろう。…いつもなら。
しかし…

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プロフィール
HN:
よしぞー
年齢:
51
性別:
男性
誕生日:
1973/02/20
職業:
平社員
趣味:
飲酒/睡眠/飲食
自己紹介:
〇マイペースじゃないと生きて行けません。

〇基本的にインドア派。

〇でも酒とうまい食い物の為ならどこでも行きます。

〇ルックス、知識、経済力、運動神経全てママンの体内に置き忘れて産まれてしまいました。

〇いわゆる低学歴低身長低収入高脂肪。低スペック。

〇非モテ人生まっしぐら。

〇でも楽なので修正する気ゼロ。

〇オンライン推奨。

〇来世でがんばろう。
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