日刊よしぞーplus:原則木曜、日曜はお休みです。
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「…と、いうわけです( ・Д・)」
新野における敗戦の説明を滞りなく終わらせ、周囲を見渡すりさ☆。
将軍たちと、大将軍派の人間は完全にインドカレー擁護にまわっているようだ。
(く…りさ☆め、なかなかしたたかな…)
とりゅふは唇をかんで、言葉を押し出す。
「わ…わかりました。北海と新野の敗戦の責については不問に伏すことにします」
「もともとおまえにそんな権限はないんだけどな」
ボソリ、と作造。
「なにか?」
「いや、なんでもない。話を続けてはどうだ?」
「…では…先ほどまで床下にいた者に関してはどう申し開きするのですか?」
「床下?」
また周囲がざわつきだす。
「なんのことですか?」
「とぼけるのはおやめなさい、インドカレー将軍。なんなら…」
突如、扉が開く。
「お待ちください」
進行役の諸葛格が怒鳴る。
「何だ、軍議の最中だぞ!所属を名乗れ!」
「インドカレー軍所属、雅逡です」
「その雅逡が何の用だ!?」
「周囲に潜んで諜報活動を行っていた間者を捕らえたのでお知らせにきたのです」
「なんだと!」
「コイツらです」
無造作にドサドサッと投げ出される数人の黒装束に身を包んだ男たち。
(なっ…)
一瞬、ほんの一瞬とりゅふの顔に動揺が走る。それを雅逡は見逃さない。
「おや?とりゅふ軍師。お知り合いですかな?」
「ばかな。そんな連中しりませんわね」
「そうですか。では…こいつらに直接聞くこととしましょうか。ご列席の皆様方。尋問はわたしに任せてはいただけませんか?」
「お前が…か?」
それまで黙ってことの成り行きを見ていた孫権がはじめて口を開いた。
「はい、孫権様。もしご不安であれば、数名立会いをお付けいただいても結構です」
「ふむ…。よし。そちに全て任す。ただし…立会い者はわしが選ぶ。それが条件だ。いいな?」
「是非もございません」
「それでは…楓緑葉、鈴央、藍跳。以上3名、立会いにつくよう所属の長は指示を出せ」
「かしこまりました」
朱然と作造が返事をする。雅逡は一礼して出て行った。
「鈴央へはわしから伝える。…ともかく、軍議どころではなくなってしまったな…。どうする、元遜(諸葛格)?」
「このまま続けます」
「あいわかった」
「しかし、今すぐでは落ち着きますまい。どうでしょう、一刻ほど時間をはさんで再開というのは」
「よし、そうしよう」
「では、一旦散会とします。一刻の後、また集まってくだされ」
期せずして休憩時間となる。インドカレーは雅逡を追いかけた。
新野における敗戦の説明を滞りなく終わらせ、周囲を見渡すりさ☆。
将軍たちと、大将軍派の人間は完全にインドカレー擁護にまわっているようだ。
(く…りさ☆め、なかなかしたたかな…)
とりゅふは唇をかんで、言葉を押し出す。
「わ…わかりました。北海と新野の敗戦の責については不問に伏すことにします」
「もともとおまえにそんな権限はないんだけどな」
ボソリ、と作造。
「なにか?」
「いや、なんでもない。話を続けてはどうだ?」
「…では…先ほどまで床下にいた者に関してはどう申し開きするのですか?」
「床下?」
また周囲がざわつきだす。
「なんのことですか?」
「とぼけるのはおやめなさい、インドカレー将軍。なんなら…」
突如、扉が開く。
「お待ちください」
進行役の諸葛格が怒鳴る。
「何だ、軍議の最中だぞ!所属を名乗れ!」
「インドカレー軍所属、雅逡です」
「その雅逡が何の用だ!?」
「周囲に潜んで諜報活動を行っていた間者を捕らえたのでお知らせにきたのです」
「なんだと!」
「コイツらです」
無造作にドサドサッと投げ出される数人の黒装束に身を包んだ男たち。
(なっ…)
一瞬、ほんの一瞬とりゅふの顔に動揺が走る。それを雅逡は見逃さない。
「おや?とりゅふ軍師。お知り合いですかな?」
「ばかな。そんな連中しりませんわね」
「そうですか。では…こいつらに直接聞くこととしましょうか。ご列席の皆様方。尋問はわたしに任せてはいただけませんか?」
「お前が…か?」
それまで黙ってことの成り行きを見ていた孫権がはじめて口を開いた。
「はい、孫権様。もしご不安であれば、数名立会いをお付けいただいても結構です」
「ふむ…。よし。そちに全て任す。ただし…立会い者はわしが選ぶ。それが条件だ。いいな?」
「是非もございません」
「それでは…楓緑葉、鈴央、藍跳。以上3名、立会いにつくよう所属の長は指示を出せ」
「かしこまりました」
朱然と作造が返事をする。雅逡は一礼して出て行った。
「鈴央へはわしから伝える。…ともかく、軍議どころではなくなってしまったな…。どうする、元遜(諸葛格)?」
「このまま続けます」
「あいわかった」
「しかし、今すぐでは落ち着きますまい。どうでしょう、一刻ほど時間をはさんで再開というのは」
「よし、そうしよう」
「では、一旦散会とします。一刻の後、また集まってくだされ」
期せずして休憩時間となる。インドカレーは雅逡を追いかけた。
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「まず、北海での戦闘についてですが…(-Д-)」
慎重に言葉を選び、話を始めるりさ☆。参謀就任の経験があるとはいえ、【土竜】のとりゅふ相手の舌戦である。万全を期すにこしたことはない。
「下ヒから城陽、北海へ抜ける可能性が高かった紀伊。軍を抑えるため、戦力はともかく北海で迎撃する必要があったのは…皆さん、ご理解いただけますね?(゚Д゚)」
うなずく一同。
「我がインドカレー軍は当時紀伊。軍に相対するため、寿春から下ヒへと進軍した直後。城陽の紀伊。軍が北海へ到着する前に北海にたどり着かねばならず、疲弊した兵士と騎馬を鞭打って、しかも彼の軍の斥候に見つからぬよう、大幅に大廻をして北海へ向かったわけです( ・Д・)」
「…それで?」
「城陽から北海へ向かった紀伊。軍にほぼ5都市分の強行軍を行った我が軍が、まがりなりにも北海手前で敵影を補足できたのは、奇跡にも近い話。インドカレー将軍のお力の賜物でしょう。ここまで、何かございますか?( ・Д・)」
「…馬を取り替えることは考えなかったの?」
「これはおかしなことを。船団戦を得意とする呉の将であるならばともかく、インドカレー将軍は騎馬民族、西涼の人間。馬は自分の分身です。よほどのことがない限り、交換などいたしませぬ。なればこそ、人馬一体の戦闘ができるのです。お分かりいただけてると思っていましたが?(`・ω・)」
「続きを」
「敵影を発見したわが将軍は、はや攻城兵器を取り出し、城壁を破壊しようとしていた紀伊。軍を目視。即座に突撃命令を下したのです(`・ω・´)」
(…そうだっけ?蝶子)
(しっ!黙って!)
「普段であれば慎重に斥候を出すか威力偵察を行うところですが、時間との戦いであること、そしてなにより長期行軍の疲れからそれはできなかった。なぜなら、長引けば不利になるのはこちら。そしてお分かりだと思いますが、兵数でも圧倒的に不利な戦いだったのです(-Д-)」
ほとんどの将がうんうん、と深く相槌を打っている。会話の流れは、こちらのものだ。りさ☆は確信する。
「それから先は…ご存知のとおり。落とし穴という卑劣極まりない罠にかかり、精強なる兵士4千と愛すべき騎馬4千を…瞬時に失いました(´・ω・`)」
「それは…インドカレー将軍の失策ということでお認めになるのですね?」
「失策とは無礼な!口を慎め、とりゅふ!仮にも今は亡き護軍将軍筆頭、前将軍凌統殿の後を継ぎ、名参謀カン沢殿の意思を受け継ぐインドカレー将軍になんたる物言い!謝罪を要求する!」
突如椅子を蹴り、大声を上げたのは凌統の盟友、丁奉。
隣で立ち上がりかけていた作造も驚き、宙に浮かした腰をそっとおろすのが精一杯だった。
(いいですわ、流れはこっちにある!)
床下で小さくガッツポーズをとった蝶子は、次の手を打つべく、その場所から消えた。
「そうだ!若いとはいえ大将軍について各地を転戦し、もう八箇所の戦で勝ちをおさめた歴戦の将。たかだか一度や二度の負け戦でガタガタいうでない!」
座って腕組みをしたまま、朱然。
「うむ、そのとおりだ。これ以上インドカレー将軍を侮辱するような態度をとるなら…」
朱拠が腰の得物を抜き放つ。
一触即発。
「(くっ…やられましたね…)失言でした。申し訳ありませんでした…。お話の続きをどうぞ」
とりゅふが深々と頭を下げ、とりあえず朱拠は剣をおさめ、丁奉は椅子に座りなおす。
しかし、まだ不穏な空気はぬぐいきれない…。
「では、続いて新野での…(-Д-)」
慎重に言葉を選び、話を始めるりさ☆。参謀就任の経験があるとはいえ、【土竜】のとりゅふ相手の舌戦である。万全を期すにこしたことはない。
「下ヒから城陽、北海へ抜ける可能性が高かった紀伊。軍を抑えるため、戦力はともかく北海で迎撃する必要があったのは…皆さん、ご理解いただけますね?(゚Д゚)」
うなずく一同。
「我がインドカレー軍は当時紀伊。軍に相対するため、寿春から下ヒへと進軍した直後。城陽の紀伊。軍が北海へ到着する前に北海にたどり着かねばならず、疲弊した兵士と騎馬を鞭打って、しかも彼の軍の斥候に見つからぬよう、大幅に大廻をして北海へ向かったわけです( ・Д・)」
「…それで?」
「城陽から北海へ向かった紀伊。軍にほぼ5都市分の強行軍を行った我が軍が、まがりなりにも北海手前で敵影を補足できたのは、奇跡にも近い話。インドカレー将軍のお力の賜物でしょう。ここまで、何かございますか?( ・Д・)」
「…馬を取り替えることは考えなかったの?」
「これはおかしなことを。船団戦を得意とする呉の将であるならばともかく、インドカレー将軍は騎馬民族、西涼の人間。馬は自分の分身です。よほどのことがない限り、交換などいたしませぬ。なればこそ、人馬一体の戦闘ができるのです。お分かりいただけてると思っていましたが?(`・ω・)」
「続きを」
「敵影を発見したわが将軍は、はや攻城兵器を取り出し、城壁を破壊しようとしていた紀伊。軍を目視。即座に突撃命令を下したのです(`・ω・´)」
(…そうだっけ?蝶子)
(しっ!黙って!)
「普段であれば慎重に斥候を出すか威力偵察を行うところですが、時間との戦いであること、そしてなにより長期行軍の疲れからそれはできなかった。なぜなら、長引けば不利になるのはこちら。そしてお分かりだと思いますが、兵数でも圧倒的に不利な戦いだったのです(-Д-)」
ほとんどの将がうんうん、と深く相槌を打っている。会話の流れは、こちらのものだ。りさ☆は確信する。
「それから先は…ご存知のとおり。落とし穴という卑劣極まりない罠にかかり、精強なる兵士4千と愛すべき騎馬4千を…瞬時に失いました(´・ω・`)」
「それは…インドカレー将軍の失策ということでお認めになるのですね?」
「失策とは無礼な!口を慎め、とりゅふ!仮にも今は亡き護軍将軍筆頭、前将軍凌統殿の後を継ぎ、名参謀カン沢殿の意思を受け継ぐインドカレー将軍になんたる物言い!謝罪を要求する!」
突如椅子を蹴り、大声を上げたのは凌統の盟友、丁奉。
隣で立ち上がりかけていた作造も驚き、宙に浮かした腰をそっとおろすのが精一杯だった。
(いいですわ、流れはこっちにある!)
床下で小さくガッツポーズをとった蝶子は、次の手を打つべく、その場所から消えた。
「そうだ!若いとはいえ大将軍について各地を転戦し、もう八箇所の戦で勝ちをおさめた歴戦の将。たかだか一度や二度の負け戦でガタガタいうでない!」
座って腕組みをしたまま、朱然。
「うむ、そのとおりだ。これ以上インドカレー将軍を侮辱するような態度をとるなら…」
朱拠が腰の得物を抜き放つ。
一触即発。
「(くっ…やられましたね…)失言でした。申し訳ありませんでした…。お話の続きをどうぞ」
とりゅふが深々と頭を下げ、とりあえず朱拠は剣をおさめ、丁奉は椅子に座りなおす。
しかし、まだ不穏な空気はぬぐいきれない…。
「では、続いて新野での…(-Д-)」
「それでは、これより合同軍議を開催する」
筆頭軍師諸葛恪の宣言により、大軍議が始まった。
参列したのは、全将軍、全副将、全軍師、全参謀。
飛図軍:将軍飛図、副将トウ賢、軍師郭攸之。
高翔軍:将軍高翔、副将王伉、諸葛贍。
大和魂軍:将軍大和魂、参謀滅法。
作造軍:将軍作造、副将藍跳、軍師諸葛恪。
孫権軍:呉主孫権、副将おはる、参謀夜雨。
孫チン軍:将軍孫チン、副将全端。
沈瑩軍:将軍沈瑩、軍師孫休。
朱拠軍:将軍朱拠、軍師韋昭。
インドカレー軍:将軍インドカレー、参謀りさ☆。
陸抗軍:将軍陸抗、副将孫秀、軍師濮陽興。
朱然軍:将軍朱然、副将山茱萸、参謀神鳴。
朱異軍:将軍朱異、副将唐咨、軍師幐胤。
陸凱軍:将軍陸凱、軍師とりゅふ。
李豊軍:将軍李豊、副将王濬、軍師管輅。
丁奉軍:将軍丁奉、副将孫異、参謀張布。
(ねえ、蝶子)
ボソリ、と自分の足元に向かって話しかけるインドカレー。
(なんですか。バレるから話しかけないでくださいな)
(…ごめん)
この数ヶ月、インドカレーと蝶子、雅逡は間者集団についての知識の勉強のためかなりの時間を一緒にすごしており、そのおかげかかなり打ち解けたようである。
(で、なんですか?)
(わたし、ここで話し聞いててもなんにもわからないんだけど)
(ですからこうして私が聞いてるのですわ)
(寝ててもいいかなぁ?)
(ご勝手に)
「話し合いの前に」
ガタリ、と席を立ったとりゅふがジロリ、とインドカレーを睨み付けて言った。
「先日の北海、新野での大敗の説明を要求します。および、その処断も」
全員の視線がインドカレーに集まる。
ハッ、と気が付いたインドカレーは思わず口ごもる。
「わたしが説明いたしましょう(`・ω・)」
「りさ☆殿?あなたには聞いておりませんが」
「でも相手を指名なさいませんでしたでしょ?( ̄ー ̄)」
「うぐ…。では、なにやらコソコソしている床下の鼠の説明もしていただけるんでしょうね?」
(バレた!?)
「鼠?なんのことやらわかりませんが…まずは聞いてくださいな( ^Д^)b」
すでに戦闘は始まっているようだ。
とりゅふの仕掛けた罠に、りさ☆が挑む。
筆頭軍師諸葛恪の宣言により、大軍議が始まった。
参列したのは、全将軍、全副将、全軍師、全参謀。
飛図軍:将軍飛図、副将トウ賢、軍師郭攸之。
高翔軍:将軍高翔、副将王伉、諸葛贍。
大和魂軍:将軍大和魂、参謀滅法。
作造軍:将軍作造、副将藍跳、軍師諸葛恪。
孫権軍:呉主孫権、副将おはる、参謀夜雨。
孫チン軍:将軍孫チン、副将全端。
沈瑩軍:将軍沈瑩、軍師孫休。
朱拠軍:将軍朱拠、軍師韋昭。
インドカレー軍:将軍インドカレー、参謀りさ☆。
陸抗軍:将軍陸抗、副将孫秀、軍師濮陽興。
朱然軍:将軍朱然、副将山茱萸、参謀神鳴。
朱異軍:将軍朱異、副将唐咨、軍師幐胤。
陸凱軍:将軍陸凱、軍師とりゅふ。
李豊軍:将軍李豊、副将王濬、軍師管輅。
丁奉軍:将軍丁奉、副将孫異、参謀張布。
(ねえ、蝶子)
ボソリ、と自分の足元に向かって話しかけるインドカレー。
(なんですか。バレるから話しかけないでくださいな)
(…ごめん)
この数ヶ月、インドカレーと蝶子、雅逡は間者集団についての知識の勉強のためかなりの時間を一緒にすごしており、そのおかげかかなり打ち解けたようである。
(で、なんですか?)
(わたし、ここで話し聞いててもなんにもわからないんだけど)
(ですからこうして私が聞いてるのですわ)
(寝ててもいいかなぁ?)
(ご勝手に)
「話し合いの前に」
ガタリ、と席を立ったとりゅふがジロリ、とインドカレーを睨み付けて言った。
「先日の北海、新野での大敗の説明を要求します。および、その処断も」
全員の視線がインドカレーに集まる。
ハッ、と気が付いたインドカレーは思わず口ごもる。
「わたしが説明いたしましょう(`・ω・)」
「りさ☆殿?あなたには聞いておりませんが」
「でも相手を指名なさいませんでしたでしょ?( ̄ー ̄)」
「うぐ…。では、なにやらコソコソしている床下の鼠の説明もしていただけるんでしょうね?」
(バレた!?)
「鼠?なんのことやらわかりませんが…まずは聞いてくださいな( ^Д^)b」
すでに戦闘は始まっているようだ。
とりゅふの仕掛けた罠に、りさ☆が挑む。
「くっ…だめだ!持ちこたえられない…また…軍が…兵士たちが…!!」
今、インドカレー軍は新野の平原地帯で攻め込んできた吾彦軍を迎撃していた。だが。
城陽で蝶子から聞いた事実が頭から離れず、指揮を誤ってしまった。
一手、たった一手の判断ミス。それが全ての軍略に影響を及ぼし、もはや取り返しのつかない惨状へと変わっていってしまったのだ。
進むことも退くこともままならず、次々と命を落としていく兵士と、軍馬。
「将軍!ここはもうダメです!退きましょう!(;`・ω・´)」
りさ☆の声も力なく、惰性で体を動かしている状態だ。
ここで踏みとどまれば士官の命まで失いかねない。
インドカレーは、苦渋の決断を下す。
「りさ☆殿、蝶子殿、雅逡殿!生き残っている兵のみ連れて、戦闘区域を脱出します!目指すは襄陽!生きて会いましょう!!」
数日前。
「実は、我々【空蝉】と【土竜】は内通しておりますの。この事実は丞相は知りませんが、大都督はご存知ですわ」
「…ということは、つまり…?」
「ええ、丞相は大都督陸凱様の手のひらの上だった、という事になりますわね。そして大都督はひとつの計画を持っておいででした」
「それは?」
「丞相陸抗、呉主孫権様の暗殺」
「!!!」
「その後、陸家と孫家を根絶やしにし、丞相派と呉主派…つまり大将軍派の粛清」
「…」
「結果として、自分を頂点とした間者集団を組織し、情報操作で多国間に戦争を発生させ…そこに間者や傭兵を派遣することで利益を得よう、というのが最終目的ですわ。いわゆる『死の商人』の国を作ろうとしていますの」
「そんなバカな!そんなことが許されるはずがない!」
「ええ、常識で考えればそうでしょうね。しかし、大都督はそうは思っておりませんわ」
「狂ってる…」
「そうかもしれません。我々【空蝉】も【土竜】もそれを知りながら契約をしていたのですから同罪かもしれませんけど」
「…」
「でも、私は将軍、あなたにつくことに決めました。【土竜】にも大都督から離れるように働きかけてみますわ。最大の敵はとりゅふかもしれませんけど」
「お願い…この呉の国をそんな国にしたくない…!」
「わかっておりますわ。しかし、【蚯蚓】【蜥蜴】【蜻蛉】【木端】はすでに大都督についたようですの」
「なんてこと…」
「時間がありません。私と雅逡は他の間者集団を引き入れられるように動いてみます」
「ええ、頼みます」
明かされた真実。
これだけでも驚天動地の内容ではあるが、陸凱の本位はそこではなかった。
中華大陸での戦争、北方民族の制圧、シルクロードやインドネシア方面、台湾、日本との貿易。
これによる利潤の独占。これこそが真相である。
はたして、インドカレーと蝶子率いる【空蝉】はこの陰謀を止めることができるのか…。
今、インドカレー軍は新野の平原地帯で攻め込んできた吾彦軍を迎撃していた。だが。
城陽で蝶子から聞いた事実が頭から離れず、指揮を誤ってしまった。
一手、たった一手の判断ミス。それが全ての軍略に影響を及ぼし、もはや取り返しのつかない惨状へと変わっていってしまったのだ。
進むことも退くこともままならず、次々と命を落としていく兵士と、軍馬。
「将軍!ここはもうダメです!退きましょう!(;`・ω・´)」
りさ☆の声も力なく、惰性で体を動かしている状態だ。
ここで踏みとどまれば士官の命まで失いかねない。
インドカレーは、苦渋の決断を下す。
「りさ☆殿、蝶子殿、雅逡殿!生き残っている兵のみ連れて、戦闘区域を脱出します!目指すは襄陽!生きて会いましょう!!」
数日前。
「実は、我々【空蝉】と【土竜】は内通しておりますの。この事実は丞相は知りませんが、大都督はご存知ですわ」
「…ということは、つまり…?」
「ええ、丞相は大都督陸凱様の手のひらの上だった、という事になりますわね。そして大都督はひとつの計画を持っておいででした」
「それは?」
「丞相陸抗、呉主孫権様の暗殺」
「!!!」
「その後、陸家と孫家を根絶やしにし、丞相派と呉主派…つまり大将軍派の粛清」
「…」
「結果として、自分を頂点とした間者集団を組織し、情報操作で多国間に戦争を発生させ…そこに間者や傭兵を派遣することで利益を得よう、というのが最終目的ですわ。いわゆる『死の商人』の国を作ろうとしていますの」
「そんなバカな!そんなことが許されるはずがない!」
「ええ、常識で考えればそうでしょうね。しかし、大都督はそうは思っておりませんわ」
「狂ってる…」
「そうかもしれません。我々【空蝉】も【土竜】もそれを知りながら契約をしていたのですから同罪かもしれませんけど」
「…」
「でも、私は将軍、あなたにつくことに決めました。【土竜】にも大都督から離れるように働きかけてみますわ。最大の敵はとりゅふかもしれませんけど」
「お願い…この呉の国をそんな国にしたくない…!」
「わかっておりますわ。しかし、【蚯蚓】【蜥蜴】【蜻蛉】【木端】はすでに大都督についたようですの」
「なんてこと…」
「時間がありません。私と雅逡は他の間者集団を引き入れられるように動いてみます」
「ええ、頼みます」
明かされた真実。
これだけでも驚天動地の内容ではあるが、陸凱の本位はそこではなかった。
中華大陸での戦争、北方民族の制圧、シルクロードやインドネシア方面、台湾、日本との貿易。
これによる利潤の独占。これこそが真相である。
はたして、インドカレーと蝶子率いる【空蝉】はこの陰謀を止めることができるのか…。
「将軍」
「あ、蝶子殿」
「将軍とりさ☆殿にお話がありますの。今夜、お時間をいただけませんか?」
「…わかりました。では、夕食後、わたしの部屋で」
「わかりましたわ。では」
城陽。
北海、下ヒにおける敵勢力の脅威はとりあえず去った。
このため、夕食後の軍議で移動先を検討する予定ではあったのだが。
(まぁ、いいわ)
そう一人ごちて、新たに募兵に応じた新兵の鍛錬状況を確認するため、練兵場へと向かうインドカレーだった。
「孫権様☆」
「ん?り…鈴央!おまえ、今までいったい…」
「ちょっとそこまで☆」
「…ブッ…ワハハハハ!まあ、よいか!こうして無事に戻ってきたことだしな。孫和のこ…いや、なんでもない」
「孫和様が出奔された件ですね。聞いております☆」
「誰にだ?」
「緑葉様に☆」
「なんと!おまえ、楓緑葉に会ったのか!」
「はい、先ほど☆」
「で、なんと申していた?」
「おはるさんが語る以上のことは語れない、おはるさんに聞いてくれ、と☆」
「…そうか」
数刻前。
「そうか…お前には色々申し訳ないことをした」
「何をおっしゃいますか、緑葉様☆鈴央は、今でも緑葉様をお慕いしております☆」
「…ありがとう」
「これもお姉ちゃんと馬雲祿様のおかげですけどね☆」
「ああ。今度会ったら礼を言わないとな」
「それと☆」
「ん…?ムグ!?」
「今度から、相手はあたしだけにしてくださいね☆」
突然楓緑葉の唇を奪い、上目遣いでペロッと舌をだす鈴央。
「じゃ…じゃあ、あたし孫権様に会ってきます!」
「お…おい!」
「あたしのすべては…緑葉様のものです!」
「~~~~~!!!」
再び城陽。
「それで…話とはなんですか?蝶子殿」
「ええ。私と雅逡が属する間者集団【空蝉】のことと、他の間者集団のことですわ」
「…」
「まず、私たちは…丞相、陸抗によってこの軍団に送り込まれました。目的は…」
「大将軍派の情報収集と、情報操作ね?(σДσ)」
「ええ、そうですわ、りさ☆殿。私は…間者集団【空蝉】第13代党首の娘、蝶子」
「俺は蝶子…いや、蝶子様に仕える護衛役の…雅逡だ」
「丞相は私の父と契約を結び…【空蝉】を使って情報を操っているのですわ」
インドカレーは相槌をうってはいるものの、本当にわかっているのかどうか定かではない。
簡単に要約すると、こういうことらしい。
同じように、大都督はとりゅふを筆頭とする【土竜(モグラ)】を配下に置き、【空蝉(ウツセミ)】に対抗している。
また、この中華には他にも間者の集団がおり、有名なところでは【枝霧(エダキリ)】【影法師(カゲホウシ)】【蚯蚓(ミミズ)】【蜥蜴(トカゲ)】【蜻蛉(カゲロウ)】といったものがあるらしい。
例えば、陸遜なら【般若(ハンニャ)】、周瑜なら【木端(コッパ)】、諸葛亮なら【七星(シチセイ)】と稀代の名軍師と言われる人々には大抵この間者がつきしたがっていたという。
最も力があったのはかの魏の名政治家荀イク、名参謀荀攸に使えた【炎輪(カリン)】と言われる。
「はぁ…わたしには想像も付かない世界ですね…」
「恥ずかしながら我が【空蝉】はそれほど有名でもありませんし、大きくもありませんわ。でも、その分個人の戦闘能力は【炎輪】にもひけをとりません」
夜は更ける。
この後、インドカレーは驚愕の事実を蝶子から聞くことになる…。
「あ、蝶子殿」
「将軍とりさ☆殿にお話がありますの。今夜、お時間をいただけませんか?」
「…わかりました。では、夕食後、わたしの部屋で」
「わかりましたわ。では」
城陽。
北海、下ヒにおける敵勢力の脅威はとりあえず去った。
このため、夕食後の軍議で移動先を検討する予定ではあったのだが。
(まぁ、いいわ)
そう一人ごちて、新たに募兵に応じた新兵の鍛錬状況を確認するため、練兵場へと向かうインドカレーだった。
「孫権様☆」
「ん?り…鈴央!おまえ、今までいったい…」
「ちょっとそこまで☆」
「…ブッ…ワハハハハ!まあ、よいか!こうして無事に戻ってきたことだしな。孫和のこ…いや、なんでもない」
「孫和様が出奔された件ですね。聞いております☆」
「誰にだ?」
「緑葉様に☆」
「なんと!おまえ、楓緑葉に会ったのか!」
「はい、先ほど☆」
「で、なんと申していた?」
「おはるさんが語る以上のことは語れない、おはるさんに聞いてくれ、と☆」
「…そうか」
数刻前。
「そうか…お前には色々申し訳ないことをした」
「何をおっしゃいますか、緑葉様☆鈴央は、今でも緑葉様をお慕いしております☆」
「…ありがとう」
「これもお姉ちゃんと馬雲祿様のおかげですけどね☆」
「ああ。今度会ったら礼を言わないとな」
「それと☆」
「ん…?ムグ!?」
「今度から、相手はあたしだけにしてくださいね☆」
突然楓緑葉の唇を奪い、上目遣いでペロッと舌をだす鈴央。
「じゃ…じゃあ、あたし孫権様に会ってきます!」
「お…おい!」
「あたしのすべては…緑葉様のものです!」
「~~~~~!!!」
再び城陽。
「それで…話とはなんですか?蝶子殿」
「ええ。私と雅逡が属する間者集団【空蝉】のことと、他の間者集団のことですわ」
「…」
「まず、私たちは…丞相、陸抗によってこの軍団に送り込まれました。目的は…」
「大将軍派の情報収集と、情報操作ね?(σДσ)」
「ええ、そうですわ、りさ☆殿。私は…間者集団【空蝉】第13代党首の娘、蝶子」
「俺は蝶子…いや、蝶子様に仕える護衛役の…雅逡だ」
「丞相は私の父と契約を結び…【空蝉】を使って情報を操っているのですわ」
インドカレーは相槌をうってはいるものの、本当にわかっているのかどうか定かではない。
簡単に要約すると、こういうことらしい。
同じように、大都督はとりゅふを筆頭とする【土竜(モグラ)】を配下に置き、【空蝉(ウツセミ)】に対抗している。
また、この中華には他にも間者の集団がおり、有名なところでは【枝霧(エダキリ)】【影法師(カゲホウシ)】【蚯蚓(ミミズ)】【蜥蜴(トカゲ)】【蜻蛉(カゲロウ)】といったものがあるらしい。
例えば、陸遜なら【般若(ハンニャ)】、周瑜なら【木端(コッパ)】、諸葛亮なら【七星(シチセイ)】と稀代の名軍師と言われる人々には大抵この間者がつきしたがっていたという。
最も力があったのはかの魏の名政治家荀イク、名参謀荀攸に使えた【炎輪(カリン)】と言われる。
「はぁ…わたしには想像も付かない世界ですね…」
「恥ずかしながら我が【空蝉】はそれほど有名でもありませんし、大きくもありませんわ。でも、その分個人の戦闘能力は【炎輪】にもひけをとりません」
夜は更ける。
この後、インドカレーは驚愕の事実を蝶子から聞くことになる…。
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プロフィール
HN:
よしぞー
年齢:
51
HP:
性別:
男性
誕生日:
1973/02/20
職業:
平社員
趣味:
飲酒/睡眠/飲食
自己紹介:
〇マイペースじゃないと生きて行けません。
〇基本的にインドア派。
〇でも酒とうまい食い物の為ならどこでも行きます。
〇ルックス、知識、経済力、運動神経全てママンの体内に置き忘れて産まれてしまいました。
〇いわゆる低学歴低身長低収入高脂肪。低スペック。
〇非モテ人生まっしぐら。
〇でも楽なので修正する気ゼロ。
〇オンライン推奨。
〇来世でがんばろう。
〇基本的にインドア派。
〇でも酒とうまい食い物の為ならどこでも行きます。
〇ルックス、知識、経済力、運動神経全てママンの体内に置き忘れて産まれてしまいました。
〇いわゆる低学歴低身長低収入高脂肪。低スペック。
〇非モテ人生まっしぐら。
〇でも楽なので修正する気ゼロ。
〇オンライン推奨。
〇来世でがんばろう。
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