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奈良県御所市の秋津遺跡で、縄文時代晩期後半(2800~2500年前)のノコギリクワガタがほぼ完全な形で出土し、県立橿原考古学研究所が24日、発表した。昆虫は腐食しやすいため残りにくく、クワガタの全身が発見されるのは縄文時代に限らず初めて。

橿考研によると、縄文時代のクワガタは東京都東村山市の下宅部(しもやけべ)遺跡などで一部が見つかっているが、全身の出土例は確認されていないという。

全長6・3センチのオスで、小川の南岸に生えていたアカガシの根っこから見つかった。大雨などの影響で死後すぐに泥で真空に近い状態でパックされたため良好に残ったとみられる。

アカガシのほかにもクヌギやコナラなど食用の実が成る樹木の雑木林が小川の南側で見つかり、北側では約1千点もの縄文土器の破片も出土した。

クワガタを発見した橿考研の松岡淳平調査員は「子供のときクワガタを昆虫採集で見つけたときと同じ感動があった」と話した。

出土したクワガタは橿考研付属博物館(橿原市畝傍町)の特別展で25日~6月12日に展示される。

ソース:yahooニュース
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110524-00000584-san-soci

- - - - - -

奈良県立橿原考古学研究所
http://www.kashikoken.jp/

上記研究所の公式資料によると、

- - - - - -
(前略)

ノコギリクワガタの概要
ノコギリクワガタは、縄文時代晩期の流路の南岸に検出した樹根8(アカガシ亜属)の下より、仰向けの状態で出土しました。

この流路の岸辺や底からは、縄文時代晩期後半の土器や石器、土製品(土偶)等がまとまって見つかっており、樹根の間からも同時代の土器が出土していることから、ノコギリクワガタの埋没時期も、これと同じ縄文時代晩期後半であると考えられます。

出土したノコギリクワガタ(Prosopocoilus includeinatus)はオスで、大アゴが体部に対して大きく屈曲した状態で出土しているため、正確な計測は難しいですが、体長約 63.5mm、最大幅 15.0mm です。大アゴの形状や体長から、大型の個体であるといえます。

左前肢は確認できず、頭部の裏側に入り込んでいるか欠損していると思われますが、その他は部分
的な欠損が認められるものの、ほぼすべての部位が確認できます。また、細部を観察すると、体毛の残存も確認できました。

体表のキズの少なさや、体毛が残存すること、爪先の状態などから、羽化後の活動期間が短い個体である可能性が高いと思われます。

(中略)

以上の点から、今回、下層遺構面で確認したノコギリクワガタは、現段階ではただ 1 点のみの昆虫遺体ではありますが、全国的にみても極めて貴重な資料であるといえます。
- - - - - -

とのことで、現段階ではただひとつの貴重な資料とのこと。
研究所も、新聞発表から非常ににぎわっているらしい。

やっぱ男はいくつになっても昆虫とか好きだよね。
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