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 「チャンスだ…」

周囲の城に孫堅の軍勢がいなくなったことを確認した朱治はつぶやいた。

 「何がチャンスなのです?まさか、朱治殿…」
 「孔融殿。その物言いだと…すでに気づかれているようですな」
 「そんな、まさか…謀反を起こすと言われるのか!」
 「いかにも。過去はいざ知らず、今の孫堅に天下を統べる力はない。このままでは天下は動乱のまま荒れ果ててしまう。そうは思わぬか?」
 「それは…いや、しかし…」
 「孔融殿。忠義を貫くのも義士ならば、天下を憂いて手を汚すのもまた義士。なれば、俺は後者でありたい」
 「…朱治殿…」
 「どうだろう、協力してはもらえぬか?」
 「…」
 「考えている時間はない。あたりに孫堅の兵がいない、今が好機なのだ」

傍らでそれを聞いていたインドカレーと蒼欄は、朱治の目に宿る邪悪な光に気がついていた。
しかし、元来お人よしの孔融。
 「…わかりました…朱治殿に協力いたそう…」
 (やられた…孔融殿を巻き込むとは…)
蒼欄は唇をかんだが…あとの祭り。
 「そうか!やってくれるか!では…これよりこの朱治が君主となり…天下を獲る!」



 「そうか、やはり造反したか」
孫堅の居城。急使の話を聞いた孫堅は一人うなづき、満足げに笑みを漏らした。
 「やはり予想通りだったな」
 「予想通りはよいですが…どうします?今からではとても追うには間に合いませんぞ」
 「韓当よ。あやつが造反した場所の回りは劉表殿、劉焉殿、曹操に囲まれた地。いわば死地だ。多少生き延びたとしても…」
 「いずれ滅びる運命、というわけですか」
 「その通り。それに、朱治の配下も…諸手を挙げて造反に着いていく連中でもなさそうだ。外から滅ぶのが先か、中から崩れるのが先か…見ものだな」
 「なるほど。わざわざ我らが手を下さずともよい、というわけですな」
 「いかにも」
 「しかし…そこまで読んでいるとは…」
 「朱治ごときとは踏んだ場数が違うさ」
 「それもそうですな」
笑いあう孫堅と韓当。
そうとも知らず、朱治は意気揚々と劉焉領の上庸を目指し進撃していた…。
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 「朱治殿…孫堅様からの伝令はどういった内容なんですか?」
 「…今、とりあえずあなたに話すことはありませんよ、孔融殿」
 「しかし…」
 「信用されないのですか?」
 「い…いや、決してそのようなことでは」
 「ならば…いいでしょう」

 (フン。もうすぐ俺の野望が成就する。それまではおとなしくしていてもらわないと…な)

 「最近…どうも朱治殿の様子がおかしい。そう思いませんか?インドカレー殿」
 「孔融殿もそう思われますか。実はわたしも…」
 「まあ、まだ確証があるわけではありませんので…」
 「蒼欄。何かあってからでは遅いのですよ?」
 「それはわかっています。ですが、証拠もないのに動くわけにはいかないでしょう」
 「それはそうですけど…」
 「おかしなことにならなければいいが…」

孔融、インドカレー、蒼欄の三人は朱治の様子が変わってきていることに気がついていた。
しかし、蒼欄の言うように証拠がない。
証拠さえ掴めればなんとでもなるのに、それができないのが歯がゆい。
こんな時にこそ強力な間者集団がいれば…そう思わずにはいられないインドカレーだった。
 「謁見の許可をいただき…光栄でございます、呉王」
 「朱治殿。呉王、ではない。それではまるで漢王室に反旗を翻しているようではないか」
 「失礼いたしました。では、呉主、とお呼びすればよろしいですか?(チッ、細かいことにうるさいヤツだ)」
 「ああ。それならいい。で…そこにいるのが朱治殿の配下だな?」
 「はい。我が盟友孔融殿と、蒼欄、蝿王、ガルベス、逃げ腰☆、良和、魅空、インドカレーです」
 「うむ。みないい面構えだ。頼もしいな」
 「ええ。それで臣従は…」
 「もちろん歓迎する。まあ、今日はゆっくりしてくれ」
 「ありがたきお言葉。それでは…」


 「これで我が陣容も強化されましたな、呉主」
 「…そう見えるか?韓当。程普、黄蓋、祖茂…お前らはどう見る」
 「…どう、と言われましても…私には特に…」
突如話を振られた祖茂は答えにつまり、横の三人を見ながらたどたどしく話す。
 「ふん。考えるのは苦手か。黄蓋はどうだ?」
 「孔融以下、配下の将には問題ありませぬが…あの朱治とかいう男には少々違和感を感じます」
 「私もそう思います。何か企んでいそうですね」
 「さすが年の功、というところか?黄蓋。程普も同感のようだな。…俺もそう思う。要注意だ。警戒しておけ」


 (まさか…本当に孫堅が生きていたとは…。信じられないが…どういうことなのか…)
時間が戻ったのか?
インドカレーは考える。
いや、ただ単純に遡っただけならば自分がここに居ること自体がおかしい。
しかも、西涼に作造、という武将がいることも確認できた。
その作造があの作造なのであれば…少しずつ人の様子が代わりながら、同じ時間をグルグルと回っているのかもしれない。

もしかしたら。
中華…この世界に真の皇室が樹立し、恒久の平和が訪れるまで、何度でも。

それならそれで面白い。
まだただの仮説に過ぎないが…それでもいい。

少しは楽しめる。

部屋に戻ったインドカレーはボンヤリとそんなことを考えていた。

 (もし…そうだとしたら…みんなもこの世界にいるのかしら…?)
 「孔融殿。とりあえず…孫堅殿の元に参じようと思いますが…いかがかな?」
 「江東の虎ですな。異論はありませぬ」

 (それからのことは…フフフ)

 「…?なにかおっしゃったかな?朱治殿」
 「いやいや、何も。それでは、使いを出します」
 「私は皆に話をしておきます」
 「ああ、よろしくお願いします」

朱治の腹の中はすでに決まっているようだ。
虎と恐れられてはいても、人を疑うことを知らない人間。
さぞやりやすかろう、とほくそ笑む。

人の下に付く事などまっぴらご免、今まではコマ不足から野に伏していたが…
なんとも都合のいいことに、お人よしの孔融が手駒を連れて転がりこんできやがった。
この機を逃すてはないぜ…。

 どうも、孔融の知っていた朱治とは違うようだ。
ひょっとしたら、長い雌伏生活が彼の精神を蝕んでしまったのかもしれない。

今の彼は…そう、最早山賊のソレであった…。
 「おお。インドカレー殿。来てくれましたか!」
 「はい。お世話になりたいと思いまして」
 「しかし一足遅かったようです。我々の行動は曹操に知られ…こちらに攻めてくるとの情報があります。士官も兵士もいないこの状況では…正直手も足もでない」
 「そうですか…でも、これも乗りかかった船。一緒に参ります」
 「これはありがたい。そうと決まったら早速ここを出ましょう」
 「行くあてはあるのですか?」
 「今は山賊に身をやつしてはいるが、知勇兼備の将を知っております。彼を訪ねましょう」
 「わかりました」

こうして…孔融とインドカレーは孔融の知り合い、という男の元へと向かうのだった…。

数日後。
 「朱治殿…」
 「おお、これはこれは孔融殿ではありませんか。ささ、こちらへ…」
 「ありがとうございます。紹介が遅れました。こちらはインドカレー殿です」
 「インドカレーと申します。朱治殿、お初お目にかかります」
 「私は朱治と申します。以後よしなに…で、孔融殿。今日のご用件は?」
 「ええ、私たち二人も朱治殿の元で一旗あげたいと思いまして…」
 「なんと。これは嬉しいことを。もちろん大歓迎です。早速皆を紹介しましょう」

朱治、蒼蘭、蝿王、ガルベス、逃げ腰☆、良和、魅空との顔合わせを済ませた二人は、大いに今後のことを語り合うのだった。
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プロフィール
HN:
よしぞー
年齢:
51
性別:
男性
誕生日:
1973/02/20
職業:
平社員
趣味:
飲酒/睡眠/飲食
自己紹介:
〇マイペースじゃないと生きて行けません。

〇基本的にインドア派。

〇でも酒とうまい食い物の為ならどこでも行きます。

〇ルックス、知識、経済力、運動神経全てママンの体内に置き忘れて産まれてしまいました。

〇いわゆる低学歴低身長低収入高脂肪。低スペック。

〇非モテ人生まっしぐら。

〇でも楽なので修正する気ゼロ。

〇オンライン推奨。

〇来世でがんばろう。
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